2013年02月07日
塚越健司『ハクティビズムとは何か ハッカーと社会運動』(ソフトバンククリエイティブ) 
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マット・メイソン『海賊のジレンマ』を読み終えた後、ハッカー方面、特に Wikileaks 以降のハッカーの社会運動参加周りの知識を補足したいというのがあり、本書を手に取った(というわけで、昨年9月には読み終えていた)。
ハッカー文化の誕生、そしてその権力と衝突といった歴史についてはワタシも大枠理解しているつもりだが、なぜハッカーにとって暗号技術が重要な武器なのかという基本的なところ、そしてなぜゼロ年代以降ハッカーは積極的に現実社会の改革を目指すようになったか、いわばハクティビズムという行動主義の加速が生じたのか、といったところまでこうしてまとまった形で読めて個人的にありがたい本だった。
近年のアノニマスの活動を市民的服従として認めるべきというヨハイ・ベンクラーの主張には異論も多いだろうが、Aaron Swartz が26歳の若さで自殺を遂げてしまった現状を鑑みれば、本書の内容はおさえておく価値があるものだと改めて思った。