2013年09月09日
内田麻理香『もっと! おうちの科学 暮らしに効く55のおいしい知恵となるほどコラム』(丸善出版)
『おうちの科学: 暮らしに効く おいしい!うれしい!なるほど!サイエンス』に続き、著者に献本いただいた。
本書のまえがきで、著者は「よそ行きの科学」と「普段着の科学」という二種類の科学について書く。本書で扱う「おうちの科学」が「普段着の科学」に属するのは言うまでもないが、ともすれば厳密さや堅苦しさのイメージがある科学という言葉を我々の日常生活のまわりに実はいくらでもある疑問や謎こそが「普段着の科学」のもとであり、本書はそれを探し出す「めがね」という見立てである。
今回も、面白くしかもためになる科学的知識が「普段着の科学」として開陳されており、特に昔からの慣習というか昔からある呼び名などに科学的な根拠があることをさらりと解説するところは読んでてなるほどとなる。ホイップクリームの泡たてはジャムを入れると短時間で済む話など前に読んだ覚えのある話もあるが、前作のときと違い、週末だけとはいえ自炊しているという個人的な事情もあり、本書は「おうちの科学」でも料理や食物についてのネタが多いのはありがたかったし、読んでて楽しかった(食いしん坊)。
しかし、木綿豆腐と絹ごし豆腐の違いって使う布の違いじゃなかったんだ! これは知らなかったな。本書の内容から離れるが、木綿豆腐と絹ごし豆腐というと、木村義雄と升田幸三が対局後の宴席で激しくどっちがいいと言い争った話が将棋の世界では知られるが(大人気ないと言うなかれ。これも一種の勝負なのである。その言い争いの果てに起きたのがゴミとハエ問答だったりする)、木村十四世名人が木綿豆腐推しだったのは、絹ごしのほうが高級であるというイメージは実は間違っているのを知っていたからだろうか? まぁ、それはさすがにないか。
とりあえず窓ガラスは新聞紙で拭くとピカピカになるという話は本当らしいので、次の大掃除で試してみることにする。