2009年08月31日
岡嶋裕史『理系思考術』(ソフトバンク新書)
ソフトバンククリエイティブの上林さんから献本いただいた。
正直ワタシが書名から期待していたものとは違う本だったが、それは単に当方の期待とずれているというだけであり、本書がダメな本であるということではない。
本書ではゲーム理論、ベイズ理論、遺伝的アルゴリズムといった理論が現実の問題を考えるのにどのように使えるかを解説する入門書であり、本書を読んで興味をもった人は本書の各章の最後に示している書籍に進むのがよいのだろう。
誰かの引き写しを無批判に受け入れるのではなく、自分で汗をかいて考えるためには、もう少し肌理の細かい考える力が必要だと思います。
それは、使うときに自分で状況に応じた組み合わせを行う必要があり、お手軽さには欠けますが、「自分できちんと考えている」と言える力は、後者の方だと思います。(206ページ)
という著者の意見にはまったく異論がなく、それを助ける本がもっと多く出ることを願う。