2010年11月15日
きたみりゅうじ 『フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。』(日本実業出版社)
確か以前金融日記で取り上げられているのをみて、良さそうだと購入した本である。
ワタシ自身雑文を書いたり翻訳をして収入を得ている人間で、確定申告をやるためにそれに関する本をいくつかあたったことがあるが、そういう解説書はどうしても網羅的な書き方になるため、少なくともそのときの自分には関係ない話も付き合わされるうらみがあったし、話も通りいっぺんで何と言うかぐっとこなくて目がページの上をいたずらに滑ってしまう。
本書の著者であるきたみりゅうじさんは、元プログラマーにして独立してフリーのライター、イラストレータになった人で、話の内容がワタシ自身の事例に近く、また「とにかく節税重視のぶっちゃけた講義」にフォーカスが定まっていることもあり、本としてのストーリーが追いやすかった。
ただ「節税重視」といっても小手先のテクニックを羅列した本では全然なくて(というか、はっきりいってそんなエグい話はない)、「税金ってなんぞや?」という話から始まり、社会保険の話を経て納税について、個人事業者に必要な話をちゃんと押さえている印象があった。
といってもこの手のお金の話はワタシがひどく不得手とするものであり、本書を読んでもまだ自信が持てないというのが正直なところが情けない。
ワタシはこれまで白色申告しかしたことがなくて、現在の状況が続く限りそれは変わらないはずだが、この時代いつその「状況」が変わるか知ったものではなくて、そうなったら再度本書を紐解くことになるだろう。
しかしなぁ、今年は Wired Vision の連載が完全に月イチになり、またオライリーからの収入も激減したので、ひょっとして2010年では確定申告する必要なかったりして……。それはそれで寂しい話である。