驚愕! オウム真理教と私の全く予想外の接点


 僕は定期的に gooInfoseekなどのロボット型検索エンジンで、自分の名前で検索することにしている。何しろ「犯罪のはびこる無法地帯としてのインターネット」である。自分の名前が変なところに出てないか不安になるときがあるのだ。

 Web サイトを立ち上げてからは、当サイトに関する語、例えば「YAMDAS」や「yomoyomo」もその定期検索の対象にしている。すると意外なところに自分のサイトがリンクされているのを見つけたりして結構楽しい。そのうち「こんな馬鹿なこと書いている馬鹿がいる」的なリンクを見つけることもあるだろうが、それはそれでまた一興だろう(実際に見つけると、やはり気分は悪いものだったね)。


 先日その定期検索をしていて妙なページがひっかかった。どうも掲示板の過去ログらしいのだが、ざっと流し読みした程度では中心議題が何であるかすらよく分からなかった。しかもどこにも YAMDAS という単語は出てこないようだが・・・と眺めていて驚愕した。

 これ俺の文章じゃん!

 02月28日(日)14時10分33秒に、シヴァ神とやらが書き込んだ長文。これは紛れもなく僕が書いた「今更ながら宗教の話で何ですが」である。一字一句そのまんまの完全な転載である。しかも無断の。


 事情がよく掴めない。自分が過去に書いた文章をそのまま掲示板に貼り付けるような無粋な真似は僕はしないし、第一こんな掲示板訪れた記憶すらないのだ。

 ログの続きを読んでみると、いきなりの長文の書き込み、しかもそれまでのシヴァ神くんの文体と余りの落差(そりゃそうだ)に「無断転載ではないか?」という疑問が投げかけられ、当方の文章の URL がつきとめられ、推測が正しかったことが示されている。ここまで読んで、僕は何だか可笑しくなってパソコンの前で大笑いしてしまった。

 自分の書いた文章が無断転載されたのだからその作者としては怒ってしかるべきなのだろうが、書き込みの日付を見ても数ヶ月前の話だし、無断転載であることも解明されているので、悪感情は湧かなかった。それよりただ可笑しく、何だか笑えてしまったのだ。


 しかし、一通り笑ったところで再び根本的な疑問が頭をもたげた。これ一体何の掲示板なんだろう?

 URL を上流に辿り、サイトの TOP ページから件の掲示板を辿ろうとしたが、どうもうまくいかない。当方の努力不足かとも思ったが、正直なところ余り深入りできない(したくない)ような、僕のような凡人にはよく理解できない文章に多数行き当たり、尚更疑念と不安が深まった。

 余り気は進まないが、折角だからとサイトの作者と思しき夢野氏にメールで件の過去ログについて尋ねることにした。


 数日後、丁寧なリプライが届いた。

「例の過去ログは教団公式ページが二ヶ月に一度48時間だけ開催している掲示板から、保存の意味で取ったものです。」

 2ヶ月に一度48時間だけとはえらく変則的な形式でやっている掲示板だね。何か曰くありげですな。ところで教団公式ページって・・・再び過去ログを読んでみる。ところところで話題になっている「教団」というのは一つしかない。

 オウム真理教? 教団公式ページ? どひゃー!!

 些細なきっかけからとんでもないところへ繋がっていたとは。これは僕も全く予想だにしない展開だった。早い話が、オウム真理教が開設する掲示板に定期的に書き込んでいた反オウム側の人間(シヴァ神くん)が自分の考えをまとめるのが面倒になって、適当に見つけた文章(僕の「今更ながら宗教の話で何ですが」)を貼り付けて自分の意見の代用にした、というところか。

 しかし、このシヴァ神くんはどうも大した意見を述べてないし、彼が僕の文章をチョイスしたということ自体、彼のレベルが高くないことを逆説的に示している。考えてみれば、自分の意見をきちんと構成できる人間は、初めから人の文章なんか無断盗用しないのだろうが。


 付記しておくと、僕が見つけた過去ログは、夢野氏が教団掲示板の内容を保存するために集積したもので、氏のサイト本体とは独立した形になっている。また、オウム真理教本体の公式掲示板であるが、タイムリーなことに99年7月時点で常設になったようで、興味ある方は覗いてみるとよいだろう(10月22日追記:閉鎖されていた。また頃合いを見て復活するのだろうか)。

 僕もちょっと見てみたが、件のシヴァ神くんの名前も見つけたし、荒木広報副部長を名乗る人(本人か?)の名前を見つけたり非常に興味深いが、今は余りオウム自体に積極的な興味を抱けないので静観以上に深入りすることはないだろう。


 過去ログを読めば分かるが、しば大神とか名乗る馬鹿(シヴァ神と同一人物?)が僕の文章のパロディ(のつもりかね)を書き込んでいる以外は特に僕の文章が議論のネタになった形跡はないし、何しろもう数ヶ月の前の話だ。こうして客観的に自分の文章を読んだおかげで一個所文法的におかしいところを修正もできたので、何度も書く通り何かをどうしようというつもりはない。

 ただ単純に面白がってるだけだ。インターネットというのはすごいねえ、と今のところは呑気に楽しんでおこう。僕のようなしがない人間が、当人も気付かないところでオウム真理教と接点を持ってたのだから。


 あとこれは書いておかなくてはならないが、やっぱり人の文章の無断転載は不味い、ということ。僕だってリンクは完全に自由って表明してるじゃないの(これ自体は実は書くまでもないことだが。僕にはリンクに許可を得るとかいう考えが全く理解できない)。リンクするなり、作者の名前ぐらいクレジットしてよ。

 それでもどうしても僕の文章を無断で利用せざるをえない事情のある人もいるかもしれない。その場合は必ず僕に事前に無断転載の意向を伝えるようにしてほしい(それじゃ無断じゃないって)。


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初出公開: 1999年07月04日、 最終更新日: 2000年06月18日
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