欠けた歯の向こうに永遠が見える?
yomoyomo(技術者の端くれ、以下Y)と海坊主(医者の卵、以下海)の与太話。1999年4月3日電話にて。
海:はぁー、ブルーだよぉ。
Y:ん? どしたの?
海:あのさあ、春休み一週間バレーボール部の合宿行っててさあ、今日帰って来たんだけどよう・・・二日目にさあ、他の人間と激突しちゃってさあ、歯欠けちまったんだよねえ・・・
Y:あちゃー、それはつらいねえ。めっちゃハードじゃん。
海:鏡で自分の笑った顔を見るとさ、何かさ元々イケてない顔が散々イケてない顔になっててさあ。
Y:それについてはコメントは控えさせて頂きましょう(笑)
海:しかも俺、欠けてたの一本だと思ってたらさ、二本だったんだよ。今日歯医者さんに行って、「こっちも欠けてますね」って。へー? みたいな。
Y:歯って増えないからな。
海:だよ。
Y:爪は俺剥いだことあるけど、あれ戻るしね。胃だって半分切除したって元に戻るのにね。歯だけはそういかない。
海:だよ。
Y:歯を削ったって戻ってくりゃどんなにいいことか。
海:だよねえ。それができるんなら・・・ノーベル賞もんだね。
Y:ノーベル賞・・・ってそりゃ別の問題だろ。君はホントに医学生なのかよ!
海:でも、歯って不思議に勉強しないんだよ。
Y:それって(歯科医との)棲み分けができてしまうってこと?
海:うん、だって全く勉強しないんだよ、どの科に行っても。医者は歯のことについちゃ分かってないよ。
Y:あ、そうなんだ。でもさ、健康はさ、野球選手なんかじゃなくても、かみしめる力って結構重要じゃない。
海:ああ多分その辺がねえ、身をもって分かってる医者というのは多分相当のベテランだよ。
Y:人間の身体には幾つかキーポイントとなるものがあって、その中に歯も入ってると思うんだけど。
海:多分局所的には分かるんだろうけど、他のところに与える影響ってのは・・・難しいね。
Y:ところで君腰は大丈夫[註1]かね。
海:一応大丈夫だけど、激突したときに当然腰もやってね。違和感はある。一番ヒドイ状況じゃないけどね。
Y:あー、君のヒドイ状況ってのはコルセットを付けてるという・・・
海:いや、コルセットはいつでも付けてるのよ、バレーボールやるときには。日常生活では付けてないけど。
Y:以前はずっと付けてたよね? 日常生活ではいつ頃外れたの?
海:そうね、コルセットしてても痛みが全然変わんないのよ。付けてる意味がなくてさ、締め付けられてただお腹が苦しいだけ、という感じがしたから。
Y:それで外したんだ。でもバレーやるときは付けてる?
海:うん、限度を越えないためで、ギックリ腰状態にはならないからね。
Y:ある一点以上は抑える、という。
海:そうそう、これ以上いったらヤバイ、というような。サポーターもそうだけど、筋肉に緊張を与えるから楽ではある。
Y:でも・・・そこまでしてバレーボールをやるものなのかね。
海:やっぱ好きなんだろねえ。
Y:好きと言ってもさ、ヤバイよ、お前のレベルは。
海:まあ、そういうのも含めて考えざるをえんな、と思ったね今回のことで。今チームとしてはとてもいい状況でさ。俺がチームに戻ったとき[註2]にさ、今度腰を悪くしたらその時は止めるしかないな、と思ったな。大会毎に様子を見る、という。
Y:なんだかなあ・・・痛み止め打ちながらマウンドに立つ投手みたいだよ。
海:でもね、実際薬局で薬買って飲んだりしたね。ボルタレン系の薬を。
Y:ボルタ・・・ん? それ食えんのか?
海:ボルタレン! 歯医者さんとかで痛み止めの薬として処方されるやつ。
Y:うーん、そこまでしてスポーツをやるものなのかあ。
[註1] 以前にも書いたが、海坊主は腰に程度の軽くない持病を持っている。
[註2] 海坊主は一度留年したとき、「謹慎」と称してバレーボール部の活動を一年停止している。留年して時間も余るだろうに、と yomoyomo は不思議に思ったものだが、海坊主には彼なりの考えがあったのだろう、と思う。