「というわけでまた俺達の出番というわけだ」
「どういうわけだよ。またラーメンの話か?」
「そう。前回の文章が好評でね、読者から何通かメールもらったんだ。面白い話も教えてもらったし」
「思いつき一発の文章が好評だったとはな」
「というか、気楽に突っ込めるところがよかったのだと思うよ・・・まあ、できれば一生懸命調べて書いた技術コラムの方に同じくらい反響があるといいのだけどさ・・・大した内容がないのが一番の原因なのだろうけどさ・・・」
「おいおい、暗くなるなって! ラーメンの話はどうした」
「うん、公開したその日に『闘わないプログラマ』の Lepton さんからメールいただいてね。これは嬉しかった」
「うちのサイト立ち上げ間もない頃からリンクしていたいだいている方だからね」
「とても足を向けて寝ることができない恩人だ。そこで尻を向けて寝ているよ」
「アホか、お前は」
「でも、厳しいお叱りでね。『ラーメンのスープを、だしとたれを分けて語れないような厨房逝ってヨシ』なんて書いてんだぜ」
「おいおい、ウソ言うなよ。あの人がそんなこと書くわけないだろ」
「俺も悔しかったから、返事には『オマエモナー』の一文だけ返してやったぞ」
「だからウソはやめろって」
「
以上、小学生最後の秋の思い出づくりでした
□■□■□■□■□■□■□終了■□■□■□■□■□■□■□■
」
「もういいって!」
「でも、Lepton さんが書かれるとおりなんだ。だしとたれを分けて考えないといかん。この視点が抜けた原因ははっきりしていて、要するに僕がカップ麺にどっぷり浸かってしまっていたということなんだな」
「確かにカップ麺じゃスープの元はただの粉末だからね。だし側に来る豚骨、鶏ガラ、煮干と、たれ側に来る醤油、味噌、塩の組み合わせからラーメンのスープは生まれるということだよな」
「札幌ラーメンにしても、味噌味が一般的にイメージされるけど、たれは上に書いた三つから選べるところが普通らしい」
「お前前回のとき味噌ラーメンのことけなしていたじゃないか」
「いや、あれはネタでね。僕自身あんまり味噌ラーメン食べたことないんだ」
「まあ、確かに札幌ラーメンだって、だしは豚骨や鳥ガラが主だし、そんなに違いはしないだろう」
「Lepton さんからは、横浜のラーメン博物館にあるオススメの店も教えていただいたし、今度上京したときには行ってみよう。そうだ、『yomoyomoを囲むラーメン・オフ会』というのはどうだ?」
「こんな場末のサイトのウェブマスターのために来てくれる人なんて誰もいないって」
「・・・」
「おいおい、黙りこむなって。他にはどういうメールもらったの?」
「上野さんから中国のラーメン事情を教えていただいてね」
「上野さんというと『今更ながら「今更ながら宗教の話で何ですが」で何ですが』でメールのやり取りをした方か」
「そうそう。またメールをいただけるというのはありがたいねぇ。彼は中国に居たことがあったらしくてね。前回の文章のきっかけとなった『中国人はどういうラーメンを食ってんだ?』という疑問に答えてくださった」
「ほう、それは聞きたいな。スープはどうだって?」
「鶏がらがオーソドックスだが、醤油味も人気らしい。でもな、同じ醤油や塩でも、味は日本のそれとは全く違うということだ」
「うーん、やはりそうか。それでやはり地域によって味は違うの?」
「東北には韓族の冷麺、南では米麺に塩味のスープのラーメン、味噌味ならジャージャー麺があるそうだ」
「いいなあ。食べ歩きしてみたいねえ」
「変り種としては、カシュガルに鶏卵とトマトスープ使ったラーメン(西紅柿鶏丹面)があるとな」
「トマトスープ!? ホントかよ、そりゃすごいな。予想外」
「これが絶品だそうだ。でもな、全部が全部美味しかったわけじゃないみたい。漢民族は柔らかい食感が好みらしくて、北京や大連で食べたラーメンは麺がのびきっているように思えてあまりよくなくなかったらしい」
「ふーん、そうなんだ。好みが違うんだな。俺も麺は硬めがいいかな」
「お前の好みはどうでもいいんだけどさ、上野さんが今でも忘れられないと書いていたのが蘭州ラーメンでね。食感、スープ共に素晴らしかったらしい。スープはノーマルな鶏がらでね、香草をぶっかけて、一気に食うのが本当に美味しいとな」
「やっぱ、『一気に食う』という感じがいいんだろね。何か思い浮かぶねえ。ラーメン屋の湯気とかさ」
「ところが、だ。非常に聞き捨てならないことも書いてあってな」
「ん? 何だ?」
「上野さんが食べ歩いた範囲では、とんこつラーメンを見なかったらしい」
「な、な、何? とんこつがないってか?」
「信じられんよな、まったく。実はね、前回のラーメン話はさ、カーラジオで聞いたとんこつラーメンの起源の話がきっかけだったのね」
「昭和12年に久留米で生まれた、という話?」
「そう、僕は九州出身だしさ、九州は大陸に一番近いから、元祖はとんこつという先入観があったわけだ」
「それが覆された、と」
「うん、それでも豚骨スープっていかにもありそうじゃん。それがないというのは驚きだねえ」
「とんこつラーメンは日本人の独創・・・なのかな?」
「ま、そこまでは言えんだろうが、これでますますマルちゃん『麺づくり』中国進出への意味がでてきたというわけだ」
「そうくるわけ!?」
「うん、それでそれが実現した暁には俺にマルちゃんから百万円ぐらい送られてこないかな、と思うわけだ」
「それは絶対ないから安心しろ」
「でもよ、ラーメンというのはホント日本人に人気あるよなぁ。前回のときはさ、文章をややこしくしないためにウェブで調べたりはしなかったのだけどさ」
「今回は調べたのか?」
「いや、Yahoo Japan! のカテゴリまで辿ったところで件数に圧倒されて諦めた」
「あのなあ・・・でも、こうやってみると、いろんな人がいろんな角度からサイト作っているねぇ・・・」
「俺これ見てて面白いことに気付いてね」
「え、何?」
「何でラーメンのカテゴリに札幌医科大学が入っているのだろう、とね」