Edgeの02013年の質問

以下の文章は、Andrew Warner による Edge Question 02013 の日本語訳である。

今年の Edge の質問が公開されているが、毎度ながら我々が長年予想してきた幅広い分析が寄せられている。ご存知ない人のために書いておくと、Edge.org はインターネットにおける半ば公然となった最高の秘密の一つである。Edge は01996年に John Brockman によって設立され、独創的な手法で体系的な問題について考える学のある人たちに毎年「大局的な」質問をする。その回答はいつも啓発的で、毎年数時間かけて読み通す価値が必ずあった。今年も、この何年そうであったように Long Now 財団の理事たちが登場しており、それに加えて我々のセミナーで講演をしたことのある学のある人たちも回答を寄せている。

今年の質問は、「我々は何を心配する＊べき＊か？」である。回答すべてを読むこともお勧めするが、以下に Long Now の関係者たちの回答を示しておく。

Long Now 財団理事：

• ダニエル・ヒリスは、セマンティック検索のフィルタリング効果を怪しく思っている。
• ブライアン・イーノは、我々の政治への根強い嫌悪についてよく考えるよう求めている。
• ケヴィン・ケリーは、高齢化の長期的影響について論じている。
• ポール・サフォーは、技術的進歩を巡る党派的なイデオロギーを心配している。
• エスター・ダイソンは、健康と医学がより大きな予測力を持つことの倫理的、政治的問題を考慮するよう求めている。

Long Now のセミナーの講演者：

• ナシム・ニコラス・タレブは、権力と富を持つ者がより「犠牲を背負う」ことを望んでいる。
• マーティン・リースは、バイオテクノロジーやナノテクノロジーの（故意かどうかに関わらず）兵器化を避けられると期待している。
• クレイグ・ヴェンターは、ワクチンは我々皆がそれを手にする場合にのみ役に立つことを大衆が理解することを望んでいる。
• ティム・オライリーは、経済的圧力が強い時代には反知性主義に警戒することを気付かせる。
• ブルース・スターリングは、我々が心配するものは何でも考えているが、それは特異点ではないはずだ。
• ヴァーナー・ヴィンジは、我々が相互確証破壊を回避できたと考えないよう求めている。
• サム・ハリスは、公共機関が自身が生み出すインセンティブを注意深く配慮することを望んでいる。
• ダニエル・エヴェレットは、オンライン講座の台頭と大学の奨学金の未来を心配している。
• マット・リドレーは、科学に反する迷信と科学の内部にある迷信の両方に警鐘を鳴らしている。
• ジョージ・ダイソンは、我々は緊急時のためにローテクで冗長性のあるバックアップ用インターネットが必要だと考えている。
• フアン・エンリケスは、我々がますます重要なデジタル指紋をどのように使いこなしていくか気にかけている。
• スティーブン・ピンカーは、しばしば見過ごされる平和への脅威について語っている。
• メアリー・キャサリン・ベイトソンは、心配事に対ししかるべき決定できるよう、心配事を適切にとらえることを我々に求めている。