著者: Anil Dash
日本語訳: yomoyomo
以下の文章は、Anil Dash による Cloudtop Applications の日本語訳である。
近頃新作アプリでお気に入りのものについて気付いた面白いパターンがあって、それは私が「クラウドトップ」と呼ぶデザインに従っていることだ。私と話をする人が、私が喋っていることをまず分かってもらえるように、このパターンについての文章を共有しようと思うが、あと他の人たちもこのコンセプトが役に立つと思ってもらえる場合に備えて。
Dropbox(アフィリエイトリンク)や Evernote といった優れたウェブアプリは、たまたま API がある単なるウェブサービスでもなければ、単純なデスクトップアプリケーションでもない。それらは、マイクロソフトの「ソフトウェア+サービス」スローガンなどかつての誇大広告が約束していたものを実現するような、いわば新たな中間地点に位置している。
クラウドトップ・アプリの鍵となる特徴は以下の通り:
このパターンにあてはめた場合、iTunes は iPhone や Windows や Mac のネイティブクライアントはあるが、クラウドトップアプリではない。なぜなら、プラットフォーム間のライブラリの同期は容易でないし、ましてや自動的にはやってくれない。Netflix は DVD 配送サービスとして始まったのに、クラウドトップ・アプリケーションのようなものに急速に発展しつつある――私のライブラリは、多くのデバイスの優れたネイティブアプリでどこでも入手できるし、履歴やレンタル希望リストを自動的に同期する。
Twitter は、そのネイティブクライアントがあらゆるプラットフォームで抜きん出ればクラウドトップ・プラットフォームに発展するかもしれないが、主たる利用が断然 HTML のウェブインタフェースを通してであることを考えると、そうなりそうな感じはないし、フリーミアムのビジネスモデルや堅牢な同期(私が使っているクライアントはどれも保持している DM が異なる)といった他の面も優先事項には見えない。クラウドトップ・アプリは完全に独占的な API を利用しており、専用のインタフェースを有していることで誰もひどく悩まされているようには見えない。
この種類のアプリについて最後に一つ、興味深い注記:共有などソーシャル機能を持つが、それらは実は基本的にソーシャルアプリではない。私はあなたと Dropbox のフォルダや Evernote のノートブックを共有できるが、それがアプリを発見する主な手段ではない。口コミこそが利用の推進力であり、Facebook や Twitter などのネットワークと統合するところは皆無かそれに近く、アプリは多くのソーシャル機能に関しては、むしろ古き良き電子メールに頼っている。それが何を意味するかは私には定かではないが、特にこれらのアプリが多くのメインストリームの、技術に詳しくないユーザにとても受けていることを考慮すると、そこには何らかの教訓があるだろう。
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