著者: Eric S. Raymond
日本語訳: yomoyomo
以下の文章は、Eric S. Raymond による Open Source Initiative rejects defamation by DVDCCA の日本語訳である。
DVD 裁判における DVDCCA 側のオープンソース運動を貶める陳述について、ESR が OSI 代表として簡潔にコメントしたものである。
本翻訳文書については、鈴木秀幹さんと Shiro Kawai さんに連邦法についてご教示を頂きました。ありがとうございました。
DVDCCA は、<http://cryptome.org/dvd-v-521-opq.htm> において、以下の陳述を行なっている:
「被告の Pavlovich 氏は、いわゆる『オープンソース』運動の指導者であり、マテリアルが著作権のあるものだろうがそうでなかろうが、インターネットを通して無料で手に入るようにすべきだという主張に血道を上げている」
この主張は、不正確であるし、中傷でもある。Open Source Initiative は、Open Source Definition(オープンソースの定義)を管理し、オープンソース・コミュニティを代表する教育的で権利を擁護する業績によって、コミュニティに広く認知された 501(c)3 条(訳注:NPO について定めた条文)にもとづく非営利団体であり、こうした主張に対しては可能な限り強く異議を唱えたい。
オープンソース運動に属する我々は、著作権を大事にしている。実際、我々はコミュニティの社会的契約のあり方を明らかにするライセンスの土台となる著作権法を行使している。Matthew Pavlovich 氏の業績の根拠となり、我々のコミュニティが DVDCCA による訴訟に対して異議を申し立てる根拠でもあるのは、そうした社会的契約、すなわち工学的な実際性と倫理的な信念の両方を基礎とした、プログラムのソースコードを自発的に共有し、秘密主義を自発的に放棄することによる信用の上に成り立っている。
オープンソースの中心にある原則に、透明性、信頼性、そして自律性がある。オープンソース開発者として、我々は専門家仲間に常に精査してもらえるようソースコードを公開している。我々は、頻繁なリリースや奉仕活動や情報を投入しつづけることで、作業を支えている。また我々は、開発者やアーティストが創作活動に関して設計方針を選択する権利を支持している。
公開性というポリシーによって、オープンソース運動が勝ち得た、非常に大きな公益を目の当たりにできる。それは World Wide Web であり、インターネットそのものを支える中核ソフトウェアであり、そして Linux オペレーティング・システムなのだ。
我々はソースコードの完全な公開を支持し、Matthew Pavlovich 氏が、Linux ユーザが合法的に所有するマシン上で合法的に所有する DVD を再生できるようにするために、独占技術をリバース・エンジニアリングする権利を支持しながらも、我々は著作権侵害に反対し、DVDCCA によるオープンソース・コミュニティを著作権侵害と結びつけようとする攻撃は、偏見を抱かせる嘘であると否認する。