オープンソース・ソフトウェアとオープンソース・ドキュメント

著者: John G. Drummond

日本語訳: yomoyomo


以下の文章は、John G. Drummond による Open Source Software and Documents: A Literature and Online Resource Review の日本語訳である。

オープンソース全般について勉強したいが、「伽藍とバザール」を読むと結構難しくてわかりづらかった、というような初心者にとって大変有用な解説、情報源になると思う。それを考慮して、リンク先に日本語訳が存在するときはもちろんのこと、日本語で対応しているページがある場合にはできるだけその情報源も示すようにした。


はじめに

オープンソース・ソフトウェア (OSS) やオープンソース文書 (OSD) が今日技術分野で脚光を浴びている。「オープンソース」という用語は、たった二年前(1998年)[原注1]に作り出されたものであるが、今ではメディアにおける流行語となっている (Raymond, 205)。急速に市場シェアを拡大し、企業や世間の興味に適合したことで、オープンソースという概念は、もはや泡沫な現象には留まらないだろう。実際、オープンソースはメインストリームに急速に入り込んでいる。この文献、オンライン・リソースのレビューは、その話題に興味を持った人達にとっての出発点になる。

オープンソース革命

オープンソースは(主流である、非ハッカー[原注2]文化においては)比較的新しく[訳注1]、しかもオンライン上に広く存在するものなので、紙媒体の著作となると二冊しかないが、これら二冊の内容の殆どは、オンライン上でもフリーに入手可能である。オープンソース運動を大変独特なものにした原因の一つに、オープンソースが過去二年かそこらで発展したものなので、ほとんど自己文書化されていないことがある。これこそが、オープンソースの主唱者を自認する Eric S. Raymond が、今では有名になったエッセイ「伽藍とバザール」を書いた理由の一つなのである。

ESR(ハッカー・コミュニティではレイモンド氏はこう呼ばれる)は、主に文書化されてない状態を改善するために「伽藍とバザール」を書いた。Linux[原注3]オペレーティング・システムが急速に発展し、洗練を増すのに魅了され、ESR はオープンソース開発モデル (Raymond, 198) の調査を開始した。フリーソフトウェア財団類似するオペレーティング・システムを何年も開発しようとしながら成功しなかったのに、何故 Linux はかくも成熟したのか。彼は、オペレーティング・システムのような大規模なコーディングを要するプログラムにおいて、企業で主流となっているクローズド・ソースな手法(「伽藍」モデル)は、ブルックスの法則の束縛を受け、オープンソース開発プロセス(「バザール」モデル)は実は法則を覆すことを発見した[訳注2]。ブルックスの法則は、プログラミング作業はプログラマーの数(N)に比例してパフォーマンスを増すが、プロジェクトの複雑性はプログラマーの数の二乗(N^2)に比例して増大する、というものだ。それ故に、一つのプロジェクトで数千人ものプログラマーが作業するのは、人間同士のコミュニケーションやバージョン管理の悪夢にはまりこむに違いないということになる。「伽藍とバザール」での解説によると、オープンソース・モデル(「バザール」モデル)はこの問題を、頻繁な主要バージョン管理、相互の尊重、そして開発者とバグ・テスターの人海戦術によって克服する。これが(Linux カーネル[原注4]の元々の作者で、維持管理者である、Linus Torvalds にちなんで名づけられた)「リーヌスの法則」として知られる、ESR による有名な主張にまとめられた。1997年にババリアで開かれた Linux Kongress において発表された「伽藍とバザール」は、Netscape のブラウザのソース(http://www.mozilla.org を見よ)の公開や現在のオープンソースのブーム (Raymond, 200) を直ちに導いた。

歴史

さてこうしたことすべてはどのようにして起こったのだろう? オープンソースの概念は、コンピュータの歴史と同じくらい古いもので、今日の企業における開発モデルよりも、元来大学で行われていたコンピュータ・システムの開発手法により近い。この初期の時代は、Eric S. Raymond による「ハッカー界小史」Richard M. Stallman による「GNU オペレーティング・システムとフリーソフトウェア運動」[訳注3]という二つの優れたエッセイに描写されている。これらのエッセイは両方ともに、現代的なコンピュータ環境、インターネット、そしてオープンソース・ソフトウェア開発が同時発生した軌跡を辿っている。より史実に基づいた情報(と多くの難解なコンピュータ用語の起源)は、Jargon File (http://www.catb.org/~esr/jargon/) か、その書籍版である The New Hacker's Dictionary[訳注4](ちなみに、オンライン上で無料で入手可能でありながら、同時に商業的に出版もされた初期の書籍のひとつである)で見ることができる。

オープンソース・ソフトウェアを開発するための最初の組織化の試みとなったのが、1985年に Richard M. Stallman(RMS として知られる)によって創設された (Stallman, 60) フリーソフトウェア財団(Free Software Foundation : FSF) である。RMS が非営利財団を設立したのには、二つ動機があった。それは GNU[原注5] ソフトウェアの開発を先に進めることと、「コピーレフト」の概念を促進するシンクタンクを設立することだった。コピーレフトというのは、copyright(著作権)という言葉の向きを変えたもじりである[訳注5]。FSF はこの概念を GNU 一般公共使用許諾契約書 (GPL) という(簡潔に表現すると)以下の内容を保証するソフトウェア配布ライセンスに発展させた:

これにより、すべての GNU ソフトウェア(と GPL の元で公開される他のあらゆるソフトウェア)が、独占的で、ソースがクローズドなソフトウェアを作るためにコードを利用しようとする人間から保護されることが保証される。今日手に入るオープンソース・ソフトウェアの半分ほどが、GPL の条件下に置かれている。現在、商業利用や内容を隠匿したソフトウェアの販売に関する制限や姿勢が異なる、類似したライセンスが幾つか存在する(http://www.opensource.org/licenses/ を見よ)。

オープンソース文書

オープンソース・モデル(ネットワーク利用可能な、沢山のコントリビューターとレビュワーを持つという意味で)を真に理解する最初の文書となるのが、FAQ として知られる、「よく聞かれる質問」(Frequently Asked Questions)リストであった。そうしたタイトルが付けられた最初のオンライン FAQ は、NASA の従業員であった Eugene Miya によるものだった (Hersch, 1)。彼の SPACE-digest mailing list FAQ は1982年に書かれていて、インターネットがまだ Advanced Research Projects Agency Network (ARPANET) という実験用ネットワークで、ほとんど知られてなかった頃のことである(http://www.faqs.org/faqs/faqs/about-faqs/ を見よ)。残念なことに、今となっては至るところに存在する情報提供文書の歴史は殆ど知られてない。FAQ についての本を書くという試みは1996年に始まったが、このプロジェクトのウェブページは1997年以来更新されてない(http://www.faqs.org/faqbook/ を見よ)。

不幸にも、ドキュメンテーションこそがオープンソース・プログラムにおいて、最も弱い面の一つである (Stallman, 68) 。これは多分、ハッカーにとってコーディングがあまりにも楽しいものであるという現実からきている。よってドキュメントを更新するのが時々付け足しになってしまうのだ。逆に、プログラマーが書き手としてヘボという考え方は、不適切な固定概念である。Eric Raymond は、最高のハッカーこそが同時に優れた書き手であると主張しているが、優れたプログラミングは、問題に対する論理的な分析と、高レベルの創造性の両方を兼ね備えている、というのがその理由である (Raymond, 246)。このことは、ESR(著名な Fetchmail プログラムの作者であり、Emacs テキスト・エディタに大変多くのモジュールを書いている)、Richard Stallman(GNU EmacsGNU C コンパイラ、そして他にも重要なプログラムの作者である)、Larry Wall(プログラミング言語 Perl の創作者)やその他のオープンソース界の指導者が、数多くの(しかも優れた)エッセイ、マニュアル、そして専門書を書いてきたという事実からも明白である。

だが、事態は変わりつつある。オープンソース・ソフトウェア、特に Linux オペレーティング・システムが、新規ユーザを拡大するのに、優れたドキュメンテーションを必要としているため、こうした状況を改善するのに多くの作業が行われてきている。オープンソース・プログラムは、通常以下の三形態で文書化される。

こうした文書のメンテナンスは、オープンソース開発モデル固有の性質のため難しいものになっている。余りにもたくさんの開発者がいて、「はやめのリリース、しょっちゅうリリース」方針のもとで開発されるので、オープンソース・ソフトウェアは急速なペースで変化しうるからだ。よりよいドキュメンテーションと文書管理を容易にするため、Linux Documentation Project ( http://www.linuxdoc.org/ ) が1992年、Matt Welsh によって設立された[訳注7]。LDP の現在のトップである Deb Richardson の最近のインタビューが Slashdot にある (http://slashdot.org/article.pl?sid=00/03/27/0717244&mode=thread )。もう一つ類似した情報源として、Open Source Writer's Group ( http://www.oswg.org:8080/oswg ) があり、技能と興味を基にして、ドキュメンテーションや、他のオープンソースに関する文書プロジェクトをすすんで行うオープンソース・ボランティアにとってのデータベースの役割を果たしている。

フリーに入手可能で修正可能なドキュメンテーションという概念から派生したのが、David Wiley によって設立された OpenContent ( http://www.opencontent.org/ ) で、プログラム以外のあらゆる情報にも適用される、GPL に似たライセンスを作成している。その理念は、もしコンピュータ・プログラムが、手助けしたいという気持ちを持つ人間なら誰にでも修正可能にすることでデバッグ(編集)され、改良されうるのなら、文書や他のコンテンツも同様のプロセスから恩恵を受けるに違いない、というものである。類似したライセンスである GNU Free Documentation License (GNU FDL) が Richard Stallman によって起草され、2000年3月に公開された。「自由に修正、配布可能」な音楽、物語、取扱説明書、それ他のドキュメント、メディアという思想は今なお目新しいもので、他の適用可能な配布ライセンスの性質も、(2000年3月の時点で)広く議論されている(http://www.linuxmall.com/news/features/000324fdlhttp://opencontent.org/announce.shtml を見よ)。

オンライン・フォーラムとその他の情報源

オープンソースというのは、ソフトウェアとドキュメントの開発手法であると同時にコミュニティでもある。オープンソース支持者、開発者、ライター、そして好奇心旺盛な連中御用達の「社交場」がいくつも存在する。こうしたフォーラムの中で最も有名なのが、Slashdot(名称は、UNIX システムで使用されるディレクトリ構造をあらわすのに用いられる、スラッシュとドット (/.) にちなんでいる)で、オープンソースに関するニュースや議論の会議室である ( http://slashdot.org/ )。オープンソース・コミュニティに不案内なジャーナリストは、大抵 Slashdot にアクセスし、オープンソース信奉者達の突飛で、しばしば不遜な言葉をはじめて味わうことになる。Slashdot は、通常、読者によってたれこまれる記事と、そうした記事に関する議論で構成される。「おたく(nerds)のためのニュースで一杯」のスローガンの元、Slashdot での話題は、オープンソースに関する話題から SF、社会における「おたく」(geeks)の役割、科学と技術、そして不定期に掲載されるエッセイにいたるまで多岐に及んでいる[訳注8]。その他のフォーラムやニュースサイトとなると:

他にも数が多すぎて言及しきれいほどのウェブサイト、メーリングリスト、Usenet[原注8] のニュースグループが存在する。www.google.com で "Linux" をウェブ検索にかけると、1,560,000 もの結果が返ってくるほどだ。www.linux.org を調べるか、さもなくば comp.os.linux ニュースグループの階層がどれだけ右側まで行っているかを見て好奇心を覚えるに違いない。

それに加え、オープンソース専門の開発フォーラムも存在する。どんなオープンソース・ビジネス・モデルも、良質なソフトウェアが豊富にあるかどうかにかかっているので、複数の企業がフリーな開発サイトを主催していて、そこでは開発ツールの結合版、シェル・アカウント、FTP (File Transfer Protocol:ファイル転送プロトコル) やウェブ・ホスティング、CVS (Concurrent Versions System) のようなバージョン管理ソフトウェア、それから「仲介」(開発者とユーザに、各々が探しているものを紹介すること)といったものをすべて無料で提供している。その中でも最も著名なのが:

最後に

僕としては最も価値のある情報を提供し、読者をより専門的な分野の情報源に向かわせるように、情報源を意識的に示そうとしたつもりだけど、以上は氷山の一角に過ぎない。ウェブ上には、何百万もの Linux 関連ページが存在する。同時に、多くの多様な Linux ディストリビューション(http://www.linux.org/dist/index.html を見よ[訳注10])に加え、Usenet ニュースグループ、メーリングリスト、雑誌(http://www.linuxworld.com/ を見よ)、そして Linux ユーザ・グループ (Linux User Groups : LUGs) もある。

オープンソースは、推進力、参加人数、そして市場シェアを拡大中の現象である。オープンソースは既に、インターネットを利用するみんなの生活に触れてきた(だってインターネットを構成するサービスやプログラムの多くは、オープンソースであるか、さもなくばオープンソース・プログラムを元にしたものだもん)。それが続くのなら、テクノロジーについていきたいと思っている世界中の誰もが、少なくともオープンソースの教訓や概念にいくらかなじんでおく必要がある。僕としては、このレビューがもっと学びたいと思うことの手助けになることを願っている。


原注

1. 「オープンソース」という用語は、Eric Raymond により作り出され、彼自身、Richard M. Stallman、そして他の著名なオープンソース支持者の間でもたれた会合で承認された。それは、Richard Stallman が使う「フリーソフトウェア」という以前からの用語を置きかえることを目的としている。「フリーソフトウェア」における「フリー」が「言論の自由のフリーであり、無料ビールのフリーではない」と常々警告してきたにもかかわらず、企業側の人間は、売ることのできないソフトウェアであるという妄想があるため警戒していたのだ (Raymond, 212)。[本文に戻る]

2. 「ハッカー」とは、プログラマーが工夫に富んだやり方で問題を解決するのを楽しむ人間を表現する用語である。それはハッカー・コミュニティにおいては賞賛を受けるべき用語である。残念なことに、クラッシュを引き起こしたり、他者を妨害したり、他人のコンピュータ・システムへの許可されてないアクセス権を得るソフトウェアのバグを食い物にする連中もまた時折自分達のことを「ハッカー」だと自称する。一般のメディアは、この誤った呼び方に飛びつき、広めてしまい、一般大衆を混乱させている。オープンソース・コミュニティに属する人間は、そうした悪党、犯罪者を「クラッカー」と呼ぶ。[本文に戻る]

3. Linux(その作者である Linus Torvalds の名前にちなんでいる)は、最も人気のあるオープンソース・オペレーティング・システムである。Linux は、Linux カーネル(下の原注4を見よ)、GNU(下の原注5を見よ)によるツール、アプリケーション・スイート、そして Linux 上で利用される他のソフトウェア・パッケージを基盤とした UNIX オペレーティング・システムの動作の似た(workalike)クローンである。たくさんの Linux の種類(ディストリビューションと呼ばれる)が存在し、RedHat ( http://www.redhat.com/ )、Slackware ( http://www.slackware.com/ )、Debian ( http://www.debian.org ) といったものが挙げられる。[本文に戻る]

4. カーネルとはオペレーティング・システムの心臓部である。カーネルは、メモリ割り当て、プロセス管理、そしてハードウェアとの通信といった低レベルのタスクを実行する。カーネルは、プログラムとコンピュータ・システム中のハードウェア間のネゴシエーターの機能を果たす。[本文に戻る]

5. GNU とは、"GNU's Not UNIX" の略である、再帰的な頭文字である(つまり、"GNU's Not Unix Not Unix" の略となり・・・)。GNU はフリーソフトウェア財団により開発されたソフトウェアの「ブランド」である。GNU の他でよく知られた再帰的な頭文字の名前となると、PINE メール・リーダー("PINE Is Not Elm"(Elm とは、Pine の元となった別のメール・リーダー))がある[訳注11]。書籍においては、UNIX のコマンドや頭文字が奇妙な名称で簡潔に書かれる。例えば、biff コマンド(新しいメールをチェックするのに使われる)は、再帰的な頭文字ではない。それは犬の名前にちなんでいる。[本文に戻る]

6. Linux のあらゆるコンセプトに関する HOWTO 文書が存在する。Linux を使ったコーヒーの作り方(http://www.linux.org/help/ldp/mini/Coffee.html を見よ[訳注12])てのもあるんだよ![本文に戻る]

7. Segfault の名称は、いみじくも、"Segmentation Fault" として知られているエラーにちなんでいる。これはプログラムが、メモリ上の不正なセグメントにアクセスしようとしたときに発生するエラーである(http://www.catb.org/~esr/jargon/html/entry/segmentation-fault.html を見よ)。プログラムはその後コア・ダンプを行うが、これは、殆どのユーザにとって(多くのプログラマーにとっても)、意味不明な数字や文字の羅列がスクリーン上か、さもなければ「core」という名前のファイルにぐはっと吐かれることを意味する。[本文に戻る]

8. Usenet はインターネット全体に渡るニュースグループの集合を意味する集合語である。Usenet は元々、ARPANET 開発者が共通の掲示板として利用することを目的にした、ほんの一握りのフォーラムだった。それが今では、階層的にドット表記でまとまられた(例えば、rec.pets 配下のニュースグループには、rec.pets.dogs、rec.pets.cats、そして rec.pets.cats.siamese といったものがある)何千ものニュースグループを含む。[本文に戻る]


引用/参考文献

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この文書は、Open Publication License の条件の下で自由に配布可能である。OPL の本文は、http://opencontent.org/opl.shtml にて入手可能[訳注15]

疑問、意見、リンク切れ報告などがありましたら、電子メールを送ってください。


変更履歴/正誤表


訳注

1. ここで新しい(novel)というのはもちろん、用語としての「オープンソース」のことである。この後に続くように、ソース自体は「フリーソフトウェア」として存在してきた。[本文に戻る]

2. ここでの伽藍モデルとバザールモデルの解説は明らかに間違い。単にオープンソースであるというだけではバザールモデルとは言えない。ソースが公開されており、かつ中央集権的でない開発体制が採られ、ユーザが自由に開発にコミットできないといけない。そうでないと、本文にある FSF の事例が意味をなさなくなる。[本文に戻る]

3. 原文では、The GNU Project というタイトルの文章にリンクがはってあるが、中身はオライリーの「オープンソース」に収録された文章と同一であるので、そちらの日本語訳にリンクをはった。[本文に戻る]

4. 「ハッカーズ大辞典」として、ASCII より日本語版が出ている。[本文に戻る]

5. 言うまでもなく、右と左の入れ替えである。引地信之、引地美恵子著「Think GNU」に収録されたインタビューで、RMS は copyleft という用語が元々はジョークであることを表明している。なお、「Think GNU」は RMS の思想性、FSF の活動を知るのに最適の本である。この本自体コピーレフトなので、出版元のビレッジセンターのページからフリーにダウンロード可能である。[本文に戻る]

6. 日本においては、JM Project が man pages の翻訳にあたっている。[本文に戻る]

7. LDP における HOWTO 文書の翻訳は、JF Project が行っている。ただし、JF はそれ以外にもカーネル附属文書の翻訳、オリジナル文書の作成も行っている。[本文に戻る]

8. 本文では、nerd、geek の両方に「おたく」という訳をあてたが、「女の子のためのおたくガイド」によると、両者には明確に言語化するのは困難であるが、確実に質的な差異は存在するようだ。訳者にはそのニュアンスは分からない。ESR の「ハッカーになろう」によると、geek の方がキツイ言い回しらしい。[本文に戻る]

9. 日本における同種のサービスを行うサイトとして、A.G.E.N.T がある。[本文に戻る]

10. 日本におけるディストリビューション事情は、「日本の Linux 情報」内のページを参照いただきたい。[本文に戻る]

11. 再帰的なネーミングは MIT 周辺のハッカー文化では古い伝統である、という話が RMS がスウェーデン王立工科大学で行った講演の中にも出てくる。また再帰的な名前をつけたウェブサイトも存在するらしい。[本文に戻る]

12. もちろん、こんな HOWTO 文書にも、JF に日本語訳がある。[本文に戻る]

13. 翻訳はオライリー・ジャパンより、「オープンソースソフトウェア 彼らはいかにしてビジネススタンダードになったか」として出版されている。日本語版も、ウェブ上で全文閲覧可能[本文に戻る]

14. 収録された論文は少し異なるが、光芒社より「伽藍とバザール オープンソースLinuxマニフェスト」として出版されている。ある意味 ESR と山形浩生との共著とも言える。[本文に戻る]

15. 著者は、Open Publication License と書きながら、リンク先は OpenContent License(日本語参考訳)を示すという重大なミスをおかしている。Open Publication License のリンク先は http://opencontent.org/openpub/ である。両方とも略語が OPL となるから不適切だ、というのは GNU の「さまざまなライセンスとそれらについての解説」の中でも警告されていることであるが、著者はそれを実証してしまっている。[本文に戻る]


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初出公開: 2000年05月30日、 最終更新日: 2002年06月02日
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