著者: Derek Sivers
日本語訳: yomoyomo
以下の文章は、Derek Sivers による I miss the mob の日本語訳である。
僕はカンファレンスのためにラスベガスにいて、空港からホテルに行くのにタクシーを使ったんだ。
少し話をしたところで、僕は運転手に尋ねた。「ここにはどれくらい住んでるんですか?」
彼は言った。「27年になる」
「うわ! 当時からは随分変わったんでしょうね」
「ああ。オレはマフィアが恋しいよ」
「ええっ? ホントですか? どういうことです?」
「マフィアがこの街を仕切ってた頃は楽しかった。二つの数字だけ気にしてりゃよかったんだ。いくら入ってきて、いくら出て行くか。出るより入るが多いうちはみんなハッピーよ。それが今じゃMBA のガリ勉どものマイクロマネジメントばかりのクソ会社に全部買い上げられてしまってよ。フロアのどこからあげる利益をどこまでも増やそうとしくさりやがって。昔はホットドッグにかけるケチャップがあった場所には今じゃ、ケチャップには25セント出せと書かれてるんだから! あれがこの街から楽しみってもんを全部奪っちゃった! ああ……マフィアが恋しいよ」
(マフィアについては他の問題を挙げられるのは確かだが、ここではメタファーと教訓としてとらえるだけにしよう)
この話は CD Baby について多くを語っていた。
ときどき MBA タイプの人が僕に尋ねることがあった。「おたくの成長率はどれくらいですか? 利益率としての留保利益率はどれくらいですか? 成長計画はどうなってます?」
僕はこう言うだけだ。「分かりません。言葉の意味が分からないものさえあります。僕はこれを友人を助けるために趣味として始めましたし、それが唯一の存在理由です。銀行にお金はありますし、調子は良いですので何も心配してません」
彼らは、僕が収益性を最大化できるようもっと分析すればと言うんだ。
そこで僕は彼らにベガスのタクシー運転手の話をするわけだ。
自分たちがやっていることの本当の理由を忘れないようにしよう。
あなたは人々の力になっているだろうか?
それで彼らはハッピー?
あなたはハッピー?
あなたはもうかってる?
それで十分じゃないの?
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