以前「今、ブログ初心者向け Bloglines の解説ページを書けばウケるよ」と書いたところ、賛同の声をいくつかもらったのだが、元の文章で引き合いに出した「Bloglinesのススメ」を書かれた kyo さんが、「続・Bloglinesのススメ」という強力な続編を書かれている。素晴らしい! 言ってみるものである(笑)
当方の元の文章については、bmp さんが「日本語版Bloglinesを作れば」と書かれており、そうもそうだよな思っていたところで naoya さんの「ウェブ型 RSS リーダーの波」を読み、確かに Headlines.jp ってのがあったよなと思い当たった。
「Bloglinesの解説ページ」に対する需要というのは、何より Bloglines が日本語非対応なことに起因しているわけで、それに類する国産サービスをどうして試さなかったのだろうと記憶を辿ると、Spiegel さんが「早速試してみたけど,ダメダメ」という評価を読んで止めていたようだ。はてなアンテナから Bloglines にデータを移行させる前に試してみるべきだったかもしれない……
さて、一つ書いてみたら現実化したので、味をしめてブログ界隈で今現在の時点で「この情報があるとウケるよ」とワタシが思うものを挙げさせてもらう。こういうのは少し経てば、情報価値はほぼなくなるが、実際この文章はその程度のものだ。元々ワタシは普遍的で長く通用する文章を書くことを願ってきたし、今でもそう思っているが、思えばそれが書けるというものではない。今回の文章は文章の対象自体「途中経過」なのだから、元からそれは無理なのだ。
さて、上に挙げた naoya さんの文章もそうだが、現在サーバサイドのサービス全盛である。ただワタシは以前から偏屈にも HTML アップロード型のウェブロツールにも需要があると主張し続けており、現在は Google が所有する Blogger などもっと利用者が増えてよいのにと思うのだが、実際はそうなってない(著名なところは、技術系では安藤日記や Okdt BLOG あたりだろうか)。
もちろんこれも例によって舶来サービスで日本語非対応だったというのがあるのだろうが、先日日本語対応が発表された。面白いと思ったのは、それを伝えるニュース記事がどれも Google の名前を強調していたこと。実際 Google が所有しているのだから「強調」というのは大げさなのだが、創業者は去ったとはいえ、ワタシなどからすれば Blogger はウェブロツールの老舗という意識があるのでそれが気になったのだろう。
逆に言えば、現在最強のテクノロジー企業の一つである Google が、ウェブログツールである Blogger の有効利用を考えていないわけはなく、事実 Google への買収後、コメント機能などの追加も行われ、「最初期の遺産として以外に、Blogger.comが現在に適合しているとみることは難しい」という状況は脱している。Google の提供する他サービスとの連携を含め、(老舗には似つかわしくない言葉だが)先物買いの意義もあるのかもしれない。
日本で Blogger ユーザが少ないのは、HTML アップロード型でありながら、登録がウェブベースで blogspot.com というホスティングサービスも持つサーバサイドのサービスの側面が分かりにくかったことと(ワタシも以前 Blogger で作成した HTML ファイルの自サイトへの引き込み方がよく分からなかった)、TrackBack 機能に対応していないことが大きいのだと思う。逆に言えば TrackBack 機能に興味がない人にとって魅力的なシンプルさを未だ備えているし、今回の日本語対応にあわせてライブジャーナル非公式日本語マニュアルみたいなのが公開されると喜ぶ人は多いと思うのだが。
しかし、真打はこれだろう。はてなダイアリーから他のツールへの移行となると、形式的に一番近いのは、tDiary を見て「はてなっぽいblog」という感想をもらした人がいることを鑑みても間違いない。冗談はともかく、はてなダイアリーの実装が、tDiary を参考にして作られたことはインタビューなどでたびたび語られてことであるし、事実テーマの共有という利点もある。
はてなダイアリーから tDiary への移行が難しいのは、インポート機能がないという一点につきるが、このあたりも需要があれば、はてなスタイル記法同様にハックする人がでてくるのではないだろうか。
高木浩光さんや吉澤さんなど既に移行を果たした人たちのノウハウと上記機能情報がうまく tDiary-users Project あたりにまとめられるとよいと思う。また個人的には見出しの name 属性レベルの移行が可能になるかどうかが境界だと思うのだが、これは個人的な希望ですな。それを言っちゃいけないか。
それはともかく、ちょうどtDiaryが(簡単に)使えるレンタルサーバも増えており、インストールの手間という第一段階がクリアされつつあるのも追い風になっている。
この時期はてなダイアリーからの移行が取りざたされるのは、住所登録問題に端を発したはてなからのユーザ離脱が背景にあるのは言うまでもない。が、その流れが加速するかどうか決まるのは、パブリックコメントを経て、プライバシーポリシー、問題の登録情報関係を含む利用規約が出揃ってからだろう。株式会社はてなとしても悩みを抱えながら各所とミーティングを行っているようだ。もうこの問題について意見を述べる気はしないのだけど、はてなの決定によりユーザの動きが変わるのは間違いない。ただユーザにとって緩い規約が長期的にも良いものとはいえないわけで、だからこその悩みどころなのだろうが。
今現在節目と節目の間の中途半端な時期であり、上に書いた内容も数ヶ月経てば、需要の流れと思いっきりずれていたりするかもしれない。それもそれで面白いと思うし、何の価値もないとはいえ、たまにはこういうのも良いだろう。