これまでの対談、これからの対談


 対談愛読者のみなさん、こんにちは。と書いて、愛読者なんているのかしら、と正直思ったりもします。僕の友人には「対談しか読まない」とかつて豪語していた人もいますが、一般読者からのリアクションとなると、技術関連文書に対するものの数分の一ですから。

 対談についてよく聞かれることは、「本当に会話を録音してるの?」というもので、答えは「イエス」です。これまでの対談は主に電話でなされてきたものですが、留守録用のマイクロテープに記録し、その内容を普通のカセットテープに落とし、yomoyomo が文章におこす、という作業を経て公開されてます。

 次によく聞かれることは、「会話を忠実に再現したものか?」というもので、それに対する答えは「ノー」です。そんなことできるわけありませんし、やりたくもありません。当然 yomoyomo の編集が入ります。特にここ数回はかなり yomoyomo が会話の内容を継ぎ接ぎしながら(しかも発言の意図を歪曲しないように)文章にしてます。


 ここが問題で、最近の対談は、かなり yomoyomo が編集を加えた結果何とか一つのテーマに沿った内容にしているというのが現状です。そうしないと第三者からすると何の興味も持てない正真正銘の与太話になってしまうからです。

 これは出来上がった文章の質にもはっきり影響が出ていて、ここ数回の対談はつまらない、と愛読者の方に言われたことがありますし、僕も全く同感です。

 原因は海坊主の方に会話の焦点を合わせようとする意識とサービス精神が欠けていたこと、そして何よりフォーカスさせるべき魅力ある企画を僕の方が立てられなかったことがあるでしょう。

 しかし、海坊主は僕のように自分の変人性を露悪的に嗤うことのできない至極まっとうな人間ですからそれを責めるわけにはいきませんし、二人の与太話の中から普遍性を見出していこうという当初の目論見が行き止まりになったというだけのことです。


 せっかくの機会ですので、対談の裏話めいたことも少し書いておきます。僕の最低最悪の飛び道具の一言で始まる一回目、実はこのとき海坊主は失恋したばかり(というかその当日)で、とてもまともな会話なんてできる状態ではありませんでした。大体のコンセプトを彼に事前に話しておいて、さあ記念すべき一回目、と思い彼に電話すると、とてもそれどころじゃなく、僕もほとほと困り果てました。勿論僕以上に海坊主が困っていたわけですが。

 しかし、僕にも何故だか分からないのですが、上記の状況から考えれば不思議なくらい愉快な話がとれてしまいました。この成功により、対談という企画が軌道にのった側面もあります。

 また高校時代を振り返った第7回のときも、片や失恋の痛手から立ち直れず、片や罵倒メールをもらって Web ページ作るの止めようかと落ち込んでいた、というこれも初回に負けず劣らずの惨状でした。そうしながらなんとか半年存続させてきたコーナーだということです。


 またこのコーナーには息抜きのように気楽に読めるコンテンツを提供する、という意図もありました。Web サイトを立ち上げる上で揃えた文章(コラム・ライブラリに主に入ってる)が余りにも暗い内容のものが多く、これでは誰も楽しんでもらえない、という編集者的観点から、誰でも気楽に読める面白い与太話、を目指したものです。それが内容的な面白みを失ってしまっては駄目でしょう。

 さてこれからの対談ですが、一旦 yomoyomo と海坊主の対談、というフォーマットを取っ払って、yomoyomo が一つのトピックに対し、誰かに話を伺うようなものを考えています。当然海坊主とも、特に医療関係の真面目な話題で対談をやりたいと思います。Netscience Interview 雑学与太話版のようなものになればよいのですが、それは編集者としての僕の力量にかかっていると思います。


 とりあえずしばらく対談の更新の予定はありません。ぼちぼち声をかけているのですが、まだ先のことは白紙、といってしまっていい状態です。また何もなかったように海坊主と二人で与太話をやりだすかもしれませんし、前回の対談が最後のものになる可能性もあります。

 しかし、いずれにしろ YAMDAS Project の中にバカみたいに楽しめるコンテンツを提供しようという気持ちは強く持ってますので、またこのコーナーに新作が更新できればと願ってます。

 それでは、YAMDAS対談放浪編(なんじゃそりゃ)を楽しみにしていてください。


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初出公開: 1999年08月05日、 最終更新日: 1999年08月15日
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