『Wiki Way』へのリアクション


 『Wiki Way コラボレーションツールWiki』が発売されて少し経ちましたので、『Wiki Way』に寄せられたリアクションをまとめておきます。


雑誌記事

 『Wiki Way』が書評などで取り上げられた雑誌です。身の回りのものしかチェックしていないので抜けがあるでしょう。ご存知の方はご一報を。

日経Linux(日経BP社)2002年11月号 新刊紹介
日経バイト(日経BP社)2002年11月号 本棚 BOOKSHLF

訳者コメント:書評としては特に変わったところはありません。ただ日経バイトの方は同じ号にバイトレポート「書き換え放題のWebサイトを実現するWikiの"魔力"」(p.16-17)という記事が掲載されています。「闘わないプログラマ」の「ネタが…」は実は日経バイトの同号を取り上げたもので、Wiki の記事に注目しなかったばかりにネタに困っている(ウソ)。


売上ランキング

● Yahoo!ニュース - ランキング コンピュータ部門(書泉グランデ調べ 2002年9月10日)16位

訳者コメント:間違いなくこれだけでしょう。それでも、ソフトバンクパブリッシングの広告でも最下層に置かれた本書が、同日に発売された他の書籍を押しのけてチャートインしたという事実は控えめに言って痛快です。


読者によるコメント

 『Wiki Way』を購入され、感想を書かれているページを集めてみました。訳者がウェブ巡回中に見つけたもの以外は、Google を使って調べただけです。他にご存知の方はこちらもご一報お願いします。順番は適当です。改行を少し変えたところもあります。

WikiWayを読んで(いしなおさん)

訳者コメント:IPWiki を作るのに参考になる部分をメモですが、WikiLike などのその後のいしなおさんの仕事にも参考になったとすれば大変光栄なことです。本書が Wiki の枠に留まらず、コミュニケーションツールの作成のお役に立つことを訳者は願っておるわけです。

Naney's Diary 2002年9月7日分より引用(渡部喜正さん)

Wikiいじりしている人は必見でしょう。 コードは Perlで説明しているが、Tips など特定の WikiEngine によらないポイントが満載なので、別に非Perl派でも面白いと思う。

サジタリウス2002年9月9日分より引用

以前くぼうちくんにWikiとゆうもののスバラシサを伝えようとして見事に失敗したことがある。
この本を読ませれば彼もWikiのスバラシサに気がつくハズ。
でも「この本を読んでWikiに興味が湧きましたぁ」なんて人はまず出てこないだろうなあ。
お高いご本なので。

yet another 自分用メモ 2002年9月16日分より引用(joesaisanさん)

「Wiki Way」は後半の、いかにグループ間の意志疎通をはかるか、が面白さの肝だと思いました。でも、僕もだれも書き込まない Wiki サイト結構見てきたのですよね。

訳者コメント:それが公開 Wiki の一番の問題でしょう。やはり書きこみたくなるような「そそるネタ」を選ぶのが一番ということでしょうか。早く日本でも PPR のような議題先行の栄えた公開 Wiki ができれば…

後記:joesaisanさんから教えていただいたのですが、2ちゃんねるの Debian スレが Wiki をまとめ用に使っており、かなりの分量に達しています。こういうのが突破口になるとよいですね。

今日のなんでやねん 2002年9月22日分より引用(きたさん)

さすがyomoyomoさんの翻訳だけあって読み易い.ソースコードの反逆―Linux開発の軌跡とオープンソース革命の訳者は見習いなさい.

訳者コメント:引用部分については「ソースコードの反逆」を読んでないのでノーコメント(じゃあ引用するなよ)。あとワタシが飛び出してサインするというネタは他でも面白がってもらえたようだ。しかし実際にサインを行うチャンスには恵まれてない。来月あたりワタシが東京に出向いて勝手にサイン会@池袋ジュンク堂とかやろうかしら。

● 戯音の耳はロバの耳ぃ掲示板より引用(G7さん)

Wiki訳本読み始め。反自由への攻撃口調(^^;が結構厳しい。
Security機構の導入は非民主を招く、とは強烈な一発ですなあ。
いや、主張そのものは俺も大賛成なんだが、妙に丁寧で企業向けかとか思ってしまうその文(多分原文内容も)との、ミスマッチ感がなんとも…

訳者コメント:よくぞ読みこんでくださった! そうなのです。Bo Leuf の文章はくどくて訳していてヘキエキしましたが、このことを手を変え品を変え伝えようとしています。

備忘録のようなもの 2002年10月13日分より引用(nakajimaさん)

ターゲットは、こないだ買った「WikiWay」。
これ面白いです。翻訳もこなれてますし、いい感じですね。

日記状無意識 2002年9月29日分より引用(たてにょんさん)

Wiki Way、読了。この本からは、熟慮の末に単純さを維持し続けようとする強い意思が感じられた。自分が試みようとしていたいくつかのアイディアも、多くは既に検討され、いくつかは肯定的に取り上げられ、その他の大多数は否定されている。

訳者コメント:上に引用した以外にも真剣に読んでいただいたのが分かる文章を書かれています。こういうのを読むと、訳してよかったなと幸福な気持ちになります。

Kazunori Aoshima さんの YukiWiki のWikiWayページより引用

ざっと読んだ限りではWikiの使い方、その哲学、実装、拡張、周辺について非常によくまとまっっている本であると感じた。
買って良かった。お薦め。。

田中求之的日々の雑感 2002年11月07日分より引用

『Wiki Way』を読了。面白いシステムだとは思うが、やはり違和感が残る。協働 (コラボレーション)のためのツールとしては使ってみると面白そうだが、コミュ ニケーションのためのツールとしてはどうなんだろうか?

訳者コメント:引用した部分の後にも鋭い分析が続く。コラボレーションとコミュニケーションで Wiki の機能の仕方が異なることは、Bo Leuf も第三部を書いていてはじめて自覚的になったのではないか。Wiki を blog ツールとして使う場合にはこのあたりを考えておく必要がありそう。

PukiWiki 公式サイトの kawara さんのページより引用

WikiWayを経費で購入してみた。うん、面白い。Wikiに興味を持ってしまったあなた、少々高いけどオススメできますよ

PukiWiki 公式サイトの WikiWay ページより引用(ゆうさん)

WikiWayは中身の濃い本ですよー。だからちょっと読むのが大変(苦笑

訳者コメント:確かに。いきなり三部構成の450ページを超える大著ですからねえ。しかし訳すのはそれに輪をかけて大変でした(笑)。

極悪版 Wiki 2002年9月11日分より引用(極悪さん)

WikiWay は立ち読みで終わる程度の内容かと思ってたら、意外とおもしろくて迷わず購入。

2ちゃんねる「Wiki系(WikiEngine)について語るスレ」の123を全文引用

Wiki本は僕も読んでおもしろかったよ。確かにやれることはまだまだあると感じてゾクゾクした。でもこれだけ時間が経つのに「書き換え自由」なのと「WikiName」という基本的な部分でウケないわけだから、これから流行る気もしないのよ。
せいぜい Kent WEB のたくさんある掲示板の中の一つ、くらいになって細々と枯れていくんじゃないの?

訳者コメント:辛口のコメントですが、実はこれも極悪さんのコメントであることを極悪さん自身書かれていました。

WikiWiki FUN の WikiWay ページより引用(k-matsu さん)

Wikiを使い始めようというときは、本当に便利なのかとか、セキュリティはどうなるのかとかいろいろ悩んでしまいがちなものですが、そういうことは今までに散々検討されてきた(おそらくWiki上で)のだということが、この本を読むとよく分かります。とりあえず必読でしょう。

訳者コメント:今話題の Linux ディストリビューション KNOPPIX の情報で知られる FUN のページからです。ただワタシは LUKY のメンバーと呼べるほどの活動は何もしとらんのです、ハイ。

Wiki っぽい場(あるいは 疑似脳内ネットワーク)の Swiki ページより引用(sumim さん)

Wiki Way によると、私が思っている以上に Wiki コミュニティでは Swiki の存在は大きく捉えられているらしい。ジョージア工科大学での運用例は特筆に値するのだろう。ただ、これを成功させたのは Swiki が Squeak で実装されているから…ではなく(^_^;)、Wiki Name の廃止や HTML タグの積極的導入などのオリジナルからの仕様および方針の転換が大きいと思われる。

訳者コメント:もちろん Squeak 自体の強力さも大きいと思います。Alan Kay 先生が HP に就職しましたがもう一度 Squeak に脚光があたると面白いですね。そのキラーアプリとして Swiki が紹介されれば最高なのですが。

システム管理者の眠れる森より引用(まぶまぶ店長さん)

Wikiも海外ではブレイクしているが国内では日本語の情報源が少なくあまり使われていなったサービスです。簡単にいうと掲示板システム(簡単に言いすぎた)なのですが、編集、追加、管理などすべてWeb上で出来てしまうのが凄いところです。

訳者コメント:書評としては無難ですが、点数は5点満点の3点で厳しいです。

Asumi日記 2002年12月12日より引用(ただただしさん)

いずれにしても、コラボレーションツールであるWikiを、コミュニケーションツールであるtDiaryの上に作ろうなんて考えは捨てたよ(笑)。いや、もちろんWikiはコミュニケーションツールにもなるんだけど、やはり本領はコラボレーションにあると思う。

訳者コメント:言わずと知れた日記ツール tDiary の作者であるたださんのコメント。残念ながらたださんによる Wiki クローンは実現しないようであるが、「Wikiを使っていて困るのは、自分も作ってみたくなるところ」というのはまったくその通りだと思います。

FPCBOOK 今週の新刊書評より引用(塩見真一さん)

開発者自らが書き下ろしたWikiの「原典」……というオビのキャッチコピー。こういう売り文句がありうることは十分に認めるのだけど、私としてはこれのために気持ちが「ひいて」しまった部分があるのもホントです。いや、わからないことの言い訳をするみたいですが。

訳者コメント:正確に言えば、このキャッチコピー自体看板に偽りありで、本屋で『Wiki Way』を見かけるたびに違和感を受けます。というのもこの本を書いたのは実質的に Bo Leuf だからです。

KazuoMoriwaka/Journal/2002-12-25より引用(森若和雄さん)

450ページ中100ページくらいは面白かった。 MoinMoin ユーザーは、第3部だけ読めば十分かな。

ASDP: WikiWayより引用(takakiさん)

Babylon5のネタバレがー,「××死す」なんて書くんじゃねー。

訳者コメント:AsWiki の作者である takaki さんによるコメントです。これまでのリアクションの中で唯一大笑いさせてもらいました。

When The Rain Falls Silver 2003年1月14日より引用(SilverRainさん)

読みなおす。現在職場の一部でPukiWikiを利用しようとしているので興味深い。

訳者コメント:職場で Wiki を導入してという話をときどきウェブ日記で見かけたりしますが、本書の第三部はその管理者にとって有益な情報が載っていると思います。

kosaka日記 2003年2月19日より引用(kosakaさん)

tDiary-usersと自サイトでWikiを使い始めてから本書を読んだ。Wikiや共同作業に関する考察に関する章は、特に興味深い内容だった。ちょっとでもWikiを使ってから読んだ方が、より理解しやすいのではないだろうか。ハックに関する章は今回は斜め読みしたのだが、自分が使いやすいようにWikiを運用する場合には、有用なリファレンスになる。大学や職場での事例についても、単に事例を紹介するだけでなく、考察が加えられているので実際に運用しようとする場合の貴重な資料といえる。

訳者コメント:思わず長々と引用してしまったが、訳者冥利に尽きる書評だったので。このように丁寧に書いていただけるのはありがたいことである。

みすらぼ日記 2003年2月27日より引用(matsuoさん)

『Wiki Way』を読んでます。読み物として普通におもしろいです。Wikiって、誰でも編集可能ということで、ちょっと敬遠してたんだけど、この辺の話を聞いて、ああ、なるほど、と思ったり。

訳者コメント:嗚呼、ただただしさんにお会いしたときもっと感謝の言葉を述べておくべきだった。

HoLY Diary 2003年2月7日より引用(HoLYさん)

とりあえずWiki使う気がある人は読んどくと吉かも. 特にStrict好き(謎)な人にお薦め.

羊堂本舗の WikiWay ページ(sheepmanさん)

訳者コメント:的確な引用とそれに対する鋭いコメントには訳者も唸りました。この方のサイトには良質なコンテンツが他にもいろいろまとまっているので是非ごらんになってください。

がりぃの空間 Wiki Way ページより引用(がりぃさん)

Wikiを使い始めようというときは、本当に便利なのか?、セキュリティは大丈夫なのか?、等と悩みも多いものですが、そういう悩みが今までに散々検討されてきたのだということが、この本を読むとよく分かります。

hard で loxse な 日々(2003年4月6日)より引用(まxさん)

いろいろ参考になりました。よい本です。
まず後半部分を先に読んでおけばラクだったなあとか思ったり。(特に3章)プログラムとかよくわからん私にしてみれば、導入実例とかが一番参考になる。
もっと他の人の導入例を見たいぞ。

訳者コメント:やはり巡回先のサイトで取り上げられていると盛り上がりますな。それはさておき、やはり第三部が人気なんだなあ。つまりはそうしたところに需要があるわけですよ、編集者の皆さん。

HAL99の徒然日記(2003年4月1日)より引用(HAL99さん)

 昨日買ったWikiWayを今日の移動中に読んでいたんだけど、ちょっと面白いと思ったのが、Wikiの個人利用。

 Wikiはもっぱら仕事で使ってるのがほとんどだけど、個人のメモ代わりに使うのでも結構便利そう。細かい打ち合わせとかメモはほとんどテキストファイルにしてあって後でgrepするってのでずっと使ってるんだけど、結構Wikiでもいけるかな。

訳者コメント:個人メモの方法としては高林哲さんが書かれた ChangeLog メモもありますが、Wiki もかなり使えます。

capsctrldays(2003年4月13日)より引用(kdmsnrさん)

「III.可能性の想像」を別冊子にして、「じょーほーきょーゆー」だの「なれっじまねーじめんと」だの、その言葉を言いたいだけなんちゃうんかという オエライサン たちに配ってやりたいくらいの名著。コラボレーションツールとしてWikiを導入する上でありがちな「でも……」や「あとで……」や「本当に効果あるの?」などといった「見当違いの反論」を蹴散らしてくれる。

訳者コメント:この後実に濃い分析が続くので是非読んで! 鼻血が出るほど嬉しかったです。

Stella_NFの空間 Wiki Way ページより引用(Stella_NFさん)

ちょっと出遅れたけど、Wikiがマイブーム状態で、Wikiの思想を知るために購入しました。その点では、どちらかというとWikiのハックの仕方のほうが中心になっていた気がして残念。

訳者コメント:やはり、本書は一番の分量を占める第二部より、運用の現場について書かれた第三部が圧倒的に好評なんだなぁ。そこらへんを狙った本やムックを作ればそこそこ売れるのに日本の編集者は何をやっているんだ。

s0s_bl0gより引用(s0sさん)

blogみたいなサイトは1つのサイトとしてコミュニティになる場合より、「ひとりひとつ」の場合が圧倒的に多いと思う。でも、誰にでも入り込まれる可能性はあるわけで。Wikiとblogみたいなものの関係も見てみたい。

訳者コメント:やはり第三部を読みどころとする人が多いですね。あと、『Wiki Way』では blog との比較論というのはないので、そうしたところの分析をワタシ自身まとめにゃならんと思っているのですが、なかなか難しいですね。

たつをの ChangeLog より引用(山下達雄さん)

Wiki Way 第 12 章は職場における Wiki の活用についてです。 これからもっと仕事に活用していこうと考えているところなので、ケーススタディが参考になります。

訳者コメント:ふむ Wiki でも知られる山下さんのコメント。2003年が Wiki 元年、という方は山下さん以外にもたくさんおられるのでしょう。

LoveRubyNet Wiki の WikiWay ページ より引用(青木峰郎さん)

わたしが思うにこの本の最大の特徴は各所にポリシーの選択肢が並べてあることだ。 「自分だったらこっちだな……」 と決めていくと知らないうちに自分専用 Wiki を設計してしまう。 そうしたらあとは実装するだけである。

訳者コメント:Ruby 関連書籍の著者として著名であり、Wiki エンジン BitChannel の作者でもある青木さんのコメント。ほぼ全文引用。Wiki エンジン作者としての読後感が分かりますね。


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初出公開: 2002年11月25日、 最終更新日: 2004年01月14日
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