うちのサイトもご多分に漏れず Amazon.co.jp アソシエイトプログラムを利用している。
最近では『アフィリエイトでウハウハ』などという書籍が出版されるくらいで、やたらとその効用を説いたり、それを利用したお金儲けについて語る人が多い。blog をやる理由の一つにその効用を挙げた人もいて、そこまでくると少し呆れてしまうが(その人の品性がよく出ているとは思う)、当サイトでは、少数の例外を除いては、自分が鑑賞し、他の人にお勧めできるものにしか Amazon へのリンクをはらないことにしている。
これは前述のアフィリエイトブームに反発を覚えるというのが一番の理由、ではない。実はそれよりももっと大きな理由があって、それが非常にしょぼいものなのでここには書かないが、第一嫌ならアソシエイトプログラムを利用しなければよいだけの話である。ワタシにしたって、お金は両手いっぱい広げて大好きだ。
ただ反発とまではいかないものの、少しひっかかるものがあるのは確かで、ウェブサイトの見た目を損ねるまでしてアフィリエイトリンク(というのか?)を多用しているところを見ると、なんだかなと思うのも確かだ。そうした意味で、自分がお勧めできるできる商品にだけリンクをはるというのは精神衛生上よいとも言える。
もちろん、このやり方にも問題はあって…と堂々巡りになりそうなので話を進めると、ワタシは Amazon.co.jp アソシエイトプログラムでどのような商品が売れているかということに甚だ無頓着で、Amazon から四半期のレポートが届いて、たまにチェックするぐらいだった。2003年は個人的に最も多忙な年でもあったため、特にそうした情報をチェックする時間が取れなかった。そしてその大晦日、前日しこたま飲んだせいでお腹の調子が悪く、だらだらと寝そべっていたのだが、そもそもうちのサイトではどのリンクがクリックされているのだろう、とそのとき考えたのが今回の企画の始まりである。
要はトラフィックレポートにおける「商品別トラフィック- クリックスルー」なのだが、2003年通してとなると『Wiki Way』が一位なのは当たり前だと思ったが、その他となると読者がどのリンクをクリックするのか正直見当がつかない。やはり、当方の読書記録なり Music Column なりの出来に比例するものなのか知りたくもあった。それでは月別に見ていくとしよう。
個人的には前年の11月に犯した、人生最大級の失敗から立ち直れず、目もあてられない状態だった。ただし翌月二度人前に出ることが決まったので、禁酒し、体重を一気に減らした月でもある(括弧内の数字がクリック数)。
結果を見て絶句した。何と『AV女優』が堂々の一位である。確かにこれについての読書記録は好評だった覚えはあるが、発売間もない『Wiki Way』より上とはまったく予想してなかった。
気を取りなおして分析すると、やはり当方が身を入れて読書記録を書いたものが軒並み上位となっている。しかし、当方の文章が読者に気に入られた、と判断するのは間違いで、そうしたものは概ね独立した HTML ファイルになっており、TITLE タグに書名が入るため、Google で上位に来やすいというだけのことかもしれない。
そうした『真剣師小池重明』は例外的だが、これに関しては当方が書いた「畢生の名作」という文句が効いたのだろう。実際、それだけの本である。
この月は、@random/1st に参加していろんな方にお会いするは、『Wiki Way』サインオフ会(?)なるものを開いてもらうは、翌日の Port139 ケーキオフ会に参加するは、と人生の中でこれだけオフラインでいろいろな人達にお会いした記念すべき月である。今から考えても夢のような月だった。
またこの月には、凡人の狂気第二段「C-Tools(前編)、(後編)」を書いている。
またしても『AV女優』が堂々一位…注目すべきは5位の『イビサ』だが、村上龍は正月の NHK で対談番組をやっているのを見かけたが、正直ここ数年まともに新作を読んでいない。彼の近作でこれを読んでおけ、みたいなのをどなたか教えてくださらぬか。
8位タイに Stone Roses のベスト盤が入っているが、これは1月に書いた KEEPERS 原稿がきいたもの。この文章のタイトルに当時の心境が出ている。喪失、孤絶、渇望…
この月、生まれてはじめて確定申告をした。つくづく自分には常識レベルの事務処理能力が欠如しているか思い知らされた。そしてこの月、毎日コミュニケーションズより『ウェブログ・ハンドブック』翻訳の話をもちかけられている。
やったー! 遂に『Wiki Way』首位に立つ! …と喜ぶ時点で何か間違っているような気もするが。
それにしても『聖の青春』と『成果主義と人事評価』が強い。後者は、「成果主義」なるものに振りまわされた人達の多さを反映しているのだろう。
この月は凡人の狂気三部作の最後を飾る「Sensorware(前編)、(後編)」を公開した。これは2月にあれだけの人達にお会いしなければ書き上げることはできなかった。とんでもない長い時間をかけて書いた文章なのだが、高木浩光さんによる「固定IDは"デジタル化された顔"――プライバシー問題の勘所」が公開された時点でほとんど意義を失ってしまったのかもしれない。
『ウェブログ・ハンドブック』翻訳の話が本格化し、また HotWired Japan から原稿依頼があった。また O'Reilly Developer Weblogs の翻訳を始めたのもこの月である。
やはり『Wiki Way』が一位だ、まいったか AV 女優!(敵じゃないんだから)。
5位の Steely Dan は、新譜発売が嬉しくてトップページでリンクした奴である。酷評も多いが、90年代の復帰後の Donald Fagen が手がけた作品の中では最高作という評価は今も変わらない。
ゴールデンウィーク中は、昼は『ウェブログ・ハンドブック』翻訳、夜は Hotwired 原稿に全身全霊を尽くしたのを思い出す。残念ながら、後者に関しては編集者の望むクオリティを持ったものになったか分からない。公開時にはご迷惑をかけてしまった。それが心残りである。
この月も1位! しかし、実は『Wiki Way』は毎日最低一回クリックしていたんだよな、ワタシが。だから正確には30以上引かないといけないわけで…
『モンティ・パイソン大全』が上昇して5位になっているが、大分前に書いた読書記録が読まれているということは、それだけパイソンに対する需要が大きいのだと思いたい。あと9位に『カルト資本主義』が入っているが、斎藤貴男の本も読もう読もうと思いながらなかなか読む時間が…
この月は『ウェブログ・ハンドブック』翻訳原稿をまとめていた時期である。もっとも発売されたのはその半年後だったが。
ううっ、またしても AV 女優に敗れた…
3位も5位もトップページからリンクしたもので、一日だけのトップページからのリンクがチャート上位にくるとは如何に他のクリック率が低いかを(以下略)
この月から更新履歴をはてなダイアリーに舞台を移した。これを見れば、テキストサイトの元となった What's New ページとオールドスクールなウェブログの共通性が分かるだろう。今のところ概ねはてなダイアリーに満足しているが、別にはてなに固執するつもりはないことは書いておく。
なんと、『くだんのはは』にも負け『Wiki Way』3位転落。しかし、『くだんのはは』がやたらと上位に入っているのが謎である。そんな大絶賛したわけでも、小松左京の話題が多かったわけでもないと思うのだが。
『環境危機をあおってはいけない』は、当方も少し関わらせていただいただけに思い出深い本である。
この月は『ウェブログ・ハンドブック』の「訳者あとがき」を全身全霊をかけて書いていた。基本的に全力を尽くす文章というのは、当方の場合、半年に一度書けばよい方なのだが、2003年はそれを四つも五つもやったわけで、つくづく例外的な年だったと思う。あとこの月に、2003年唯一にして、一年以上ぶりの対談を更新している。
あれー? 『モンティ・パイソン・スピークス!』の読書記録は9月1日に公開したはずなのだが。
あと『No.1 Hits of Disco / Soul...』は更新履歴で紹介したものが先月に続いてのランクインとなったが、日本で CCCD 1枚買うよりこの8枚組のほうが安いとなればそりゃこっち買うよな。中身はまあ、普通のコンピ盤に過ぎないのだが…
この月、yomoyomo in Tokyo Reloaded(?)が行われたのだが、その日、深く落ち込むことがあり、一瞬参加を止めようかと思ったほどだ。もっとも参加してみたら楽しくて上の空状態だったが。どれぐらい上の空かというと、「山形さんは、東浩紀さんの評価を下げたと以前広報部部室で書かれていましたが、東さんが中央公論に連載していた『情報自由論』は重要な仕事だと思います。あれなどいかがですか?」と山形浩生に尋ねておいて、山形さんがどう言われたかビタイチ覚えていないほどである。
羽田空港と帰途の飛行機の中で『たかがバロウズ本。』を、漠然とした後悔の念とともに読んだが、2003年最も集中して本を読んだのはあのときだった、と今になって思い当たる。
30台に突入もしてしまった。
『AV女優』が一位なのに衝撃を受けなくなってしまった…
『村上龍映画小説集』は先月に続いてのランクインだが、大分前に書いた文章を読んでもらえるのはいずれにしろありがたい話ではある。
この月は UNIX USER 原稿と『ウェブログ・ハンドブック』の仕上げに追われた月である。こういうときにもちゃんと更新しているのが今になってみれば可笑しい。はてなダイアリーが選ぶ名盤百選でバトンが回ったときはこりゃダメだと思ったものだが、いきなり長文を書いてしまうし。
何と『AV女優』が二位の3倍以上ものクリック数を集めて圧倒的な1位…ってどうなっとるんじゃ!
まあ、それはそうと将棋関係の書籍が常に10位内にいくつか入っているのは嬉しいですね。
この月も引き続き…という感じだった。月の前半は体調が思わしくなく、後半からは本業も忙しさを増し、かなりきつかった。
3位、5位、10位にこれまでなかった名前が入っているが、特に3位など唐突で、2ちゃんねるにリンクされたか? …などと真っ先に考えてしまうところが小心である。
それはそうと、音楽の方でコンスタントにチャートに入っているのはレッチリの『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』だけで、何故これなのかは謎である。
ようやく『ウェブログ・ハンドブック』が発売された。この月は仕事が尋常でなく忙しく、それをサポートするので精一杯だった。
おおっ、『ウェブログ・ハンドブック』が初登場1位! …つーか、これが『AV女優』に負けてたら、もうサイト止めるよ(笑)
『将棋の子』が入っているのは、読書記録の影響かな。正直、大絶賛されるほどの本だとは思わないが、将棋界を知らない人にお勧めできる本なのは間違いない。
さて、Amazon クリックランキングとともに月別に2003年を振りかえったがいかがだっただろうか。結論としては、当サイトを訪れる人達は AV 女優が大、大、大好き! という個人的には一抹の寂しさを感じるものであるが、こうしたのをやってみたのははじめてだったのでいろいろ興味深かったところはある。あ、でも結果が見えているので年間ランキングはやらないでおきます(笑)。
こうやって振りかえると、2003年は本当に例外的な年だったとつくづく思う。今年はいくらなんでもペースダウンするとは思うが、いずれにしても本年も YAMDAS Project をよろしくお願いします。