YAMDAS全更新履歴(2001年5~8月)


 YAMDAS Project の全更新履歴を更新が最新のものから順に参照いただけます。

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2001年08月

[2001年08月26日]

yomoyomo's Music ColumnKEEPERS への連載)第15回目を公開。また、FreeBSD IPsec mini-HOWTO を原文の改版に追従。

KEEPERS に文章を書くことになったとき、何しろよそ様のサイトに文章を提供するわけだから、これまでのように好き勝手書くわけにはいかない、と思ったことを覚えている。

ところが、どうだ。今回の文章など、最初から最後まで物騒な言葉が炸裂している。SPEED of Life が全然オッケーということで、僕の中で箍が外れてしまったのかもしれない。もちろん今回の文章も問題なしということだ。ただし、三木道三の悪口については嘆かれてしまったが(クソッ!)。

もちろんそれは言葉を取りあげただけの話で、内容的には少しも奇を衒ったところはないつもりである。特に今回は内容が内容だけにそうならざるを得なかった。

気がつくと、トップページのカウンタが18万を超えていた。20万のときには何かやらなければと思いながら、僕から読者の方々にプレゼントできるものなんて殆ど何もない。果たしてどうしたものだろうか。そうでなくても、近々自分のところのネットワーク環境に変化があるかもしれなくて、以前から自分の中でくすぶっている問題が頭をもたげ始めている。また、当サイトの内容という意味でも、いろいろ問題を感じ始めている。そこらへんを一度文章にするなり、アンケートなどを取るなりしないといけないかもしれない。

[2001年08月19日]

yomoyomo の読書記録にカート・ヴォネガット・ジュニア「猫のゆりかご」、宮部みゆき「地下街の雨」、車谷長吉「鹽壷の匙」を追加。あー、夏休みも終わりやねー。

RMS インタビューについては、短期間にばばっと複数の指摘があり、一気に訳文が改善した。本当にありがたいことである。

夏休みは友達とドライブに行ったり、故郷で友人たちと飲んだり、といつもの夏休みだったのだが、事前に母親が十日以上入院していたため、帰省時には両親に気を遣った。通常の十倍ほど気を遣った。

「ハッピーサマーウェディング」に続く文章として二つ構想があったのだが、一つは母親の入院の報せを聞いた時点で断念した。もう一つの方を書く取材として、今回ベンジャミンに時間を割いてもらったのだが、こりゃあダメだと思った。書き手としての僕の限界である。それにああした文章を書くと、すぐに文章の語り手を僕自身だと思われるのだから、書かないほうが良いのかもしれない。

[2001年08月12日]

Technical KnockoutRichard Stallman インタビューのベータ版を公開。Juraj Bednar の文章の日本語訳です。また、プログラミングを独習するには10年かかるの原文の改版に追従。

さて、夏休みである…という文章から何も展開しない。まあ、そういう状況だ。

[2001年08月06日]

Technical Knockout翻訳を巡ってだらだらと書いてみる(2)を追加。

フジロックに New Order 来たんだよなぁ…ストリーミング放送で見てもよかったが、フラストレーションがたまるだけだと思って見なかった。嗚呼、早く彼らの新譜が聞きたい! でも、確か22日発売だから、今月の KEEPERS 原稿には間に合わないな。

それはさておき、一月に一度まとめて読むすぎむらあやこさんの日記で、青山正明氏の死を知った。「自殺していたカリスマ麻薬ライター」かぁ…。彼の「危ない薬」は素晴らしい本で(山形浩生の書評をご一読あれ)、僕はこの本から健康法まで学んだんだ。記事を読んでないので事情は分からないが、ご冥福をお祈りします。

そういえば「東京大学物語」(office さんは時間の無駄というが、やはり読まんとな…)が終わったことも確かすぎむらあやこさんの日記で知ったんだし、今月の KEEPERS 原稿も、この日記を読んだときに着想を得たんだ(まだ書いてませんが)。情報たっぷりというものでもないが、何故かツボにはまるようだ。


2001年07月

[2001年07月30日]

Technical Knockout翻訳を巡ってだらだらと書いてみるを追加。

昨日は参議院選挙だった。当方も投票したが、その場ではじめて幸田シャーミンが民主党の拘束名簿に入っていることに気付いた。知らなかったのは俺だけか? どうしてもっと評判にならなかったのだ。「ユーミン、ムーミン、幸田シャーミン、一番若いのは誰でしょう」というクイズになったくらいの人だぞ。いや、もちろんそれは僕の投票には何の影響も及ぼさなかったのだが。昨年の衆議院選挙の投票日にはトップページを特別仕様にしたりした。これは絶対投票しなきゃならないと思ったわけだが、今回は逆にあまり投票したくなかったな、いろいろな意味で。

で、さきほどのクイズの正解はもちろん「幸田シャーミン」なのだ。

[2001年07月26日]

yomoyomo's Music ColumnKEEPERS への連載)第14回目を公開。

旧聞に属する話だが、ロシア文学者の江川卓氏がお亡くなりになった。現在はワイン乞食を生業とする元巨人の投手と漢字が一緒なのだが、こちらは「えがわたく」と読む(「江川騒動」のときはイタズラ電話がすごかった、と「徹子の部屋」に出演したときに笑って言っておられたっけ)。

大学に入り、遅れ馳せながらドストエフスキーと出会い、熟読するようになると、自然と江川氏の名前を知り、氏の「謎解き」シリーズを読むことになった。「謎とき『白痴』」と「謎とき『カラマーゾフの兄弟』」は、今でも実家で時々読むことがある。

個人的には、登場人物の命名にこだわりすぎているようにも感じるのだが、江川さんの分析を読まなければ絶対に得られなかったような知見も多い。「謎とき『カラマーゾフの兄弟』」における「黒いキリスト」アリョーシャと「白いキリスト」スメルジャコフの対比、スメルジャコフの靴下(だったかな?)を見て、イワンがギョッとすることの裏に隠された宗教的意味…

ここ数年本屋に行くと、「謎とき『悪霊』」は出てないのかな、と疑問に思ったものだ。「新潮」に連載が始まったのを何かで読んで知っていたためだが、それが氏の体調のため数回で途絶してしていたのを、訃報にあわせて知ったという体たらくである。

しかし、読売文学賞を受賞した氏の出世作である「謎とき『罪と罰』」は、未だ読んでなかったりする。「罪と罰」本体をもう一度読みなおしてからにしたい、と思いながら時間が過ぎてしまった。「罪と罰」については小文を書いてみたりしたが、まだ全然ダメだ。

読書記録で予告した栗屋剛「人体部品ビジネス」も事情があって(珍しく図書館で借りて読んだのだが、夏風邪のため読みきれなかった)、未読のままだ。「謎とき『罪と罰』」もいい加減読んでみたいのだが、こうやってどんどん積読リストがたまっていく…

いずれにしろ、江川氏のご冥福をお祈りします。

[2001年07月24日]

コラムライブラリことの終わりを追加。

夏風邪と小旅行のため、久方ぶりの更新になってしまった。今回の文章は、実は昨年の秋に思いついていたものだが、ずっと保留になっていた。今回思わぬ話題とくっつくことになったが…

連休の旅行はとても楽しかった。ウェブページに関係するところでは、office さんとまたお会いすることができたことか。今回もとても楽しくお酒が飲めて有意義だった。ありがたいことである。僕は情報に疎いため、「え、あのハンドルはあの人なんですか!」といったことで盛り上がってしまったが、office さんの今後の活動についてもいろいろ伺い、これがとても刺激になった。これからの氏の活動が要注目であることは間違いない。なお、office さんから伺ったことの一部は、「セキュリティ界のアブナイ面々 ―高木浩光、あやむら、そして office ―」として近々文章にする予定である……なんてことはまったくないので期待しないように。

[2001年07月09日]

yomoyomo の読書記録に植松黎「毒草を食べてみた」、近藤誠ほか「私は臓器を提供しない」を追加。嗚呼、今年も半分終わったとはね!

更新頻度について書くと何故か正反対になってしまうというジンクスがあるのだが、多分しばらく更新頻度が落ちると思います。早い話文章のネタがないせいで、翻訳関係も一段落ついた感じだし(これ訳せ、というのがあればメールください)。

それに突発的に今月旅行を決行することにしたせいもある。といっても京都大阪を一人旅するだけのものなのだが。「2001年無駄に豪華な旅」がキーワードで、宿だけは何故か立派なところを予約した。旅の窓口でかなり格安で予約できるからだが、格安にしてもかなりの値がするわけで、こういったところでワタシの経済観念はどうもおかしいようだ。

あと今回更新分の読書記録を書いていて思ったのだが、YAMDAS対談も捨てたものではない、ということだ。いや、もちろん捨てたなんて思ったことはないのだが、少し前とある読者の方から対談を楽しみにしている旨のメールをいただいたことがあった。海坊主の方は本業の方が一つの山場を迎えているため対談もできずにいるが、近いうちまたやりたいものだ。実は前回帰省したときにベンジャミンと対談を試みたのだが、それを文章化するのは保留している。結論としては、お互い素面のときにやらないとダメのようだ。ベンジャミン、今度会うときまでに何かネタを考えておいてちょうだいね。

[2001年07月02日]

Technical Knockoutプログラミングを独習するには10年かかるのベータ版を公開。Peter Norvig の文章の日本語訳です。

僕は「みんなのお役に立ちたい!」という崇高な献身精神に基づいて翻訳をやっている…わけはもちろんない。何より自分のためなのだが、同時に他の人の興味を惹くところのある文章を選びたいとは思っている。それが何より、僕自身の興味を惹くことなのだが、それこそ Slashdot Japan にタレこれまれる叩き台のようなものを訳したいと思っている、と書けば分かりやすい…かな?

先月の Music Column に関し、よもやと思っていた方から面白かったと言われ、恐縮してしまった。毒虫の書いた毒と見なされることすら予想していたのだが。

その文章の最初に名前を出した EGO-WRAPPIN' のライブチケットを取り損ねてしまった! 先行予約情報をまったく見過ごしていたという大ポカをやってしまったからだが、悔しくてたまらない。8月11日に IMS ホールで行われるライブのチケットがあまってる方は是非ご一報ください……って、いるわけはないのだが。

この週末は泣いてばかりだった。土曜日は深夜にやっていた aiko のライブを観て泣いてしまった。歌が喚起するもので泣くなんてことが今更自分に起こるなんて思わなかった。日曜は、女友達に貸していて返ってきた「聖の青春」を読んでまた泣いた。これは書評にも書いたことであるが、この本は宝石に満ちていて、どこを読んでも泣いてしまう。かつて武田泰淳は壇一雄を評して言った「彼は『火宅の人』で泥を純金に変えた」という言葉を思い出す。この本の著者である大崎善生の新作「将棋の子」も面白いらしいが、底辺に純金を見出すような本なのだろう。


2001年06月

[2001年06月27日]

yomoyomo's Music ColumnKEEPERS への連載)第13回目を公開。今回はブチ狂った文章ですのでそういうのが苦手な方は遠慮されたほうがよいでしょう。これが2001年上半期最後の更新になるはずである。

昨日は「今日のなんでやねん」につっこんでしまった。いつも楽しく読ませていただいているので、勝手に親しみを持ってしまい、噛み付いてしまった。きたさんの度量に感謝します。

さて、今回の Music Column、KEEPERS の上原さんの受けはよかったのだが、一体どういう感性してるんだ?(と文章を書いたオマエが言うな!)

[2001年06月25日]

yomoyomo の読書記録に町田康「夫婦茶碗」他を追加。読んだ観た聴いた今はこれが精一杯を追加。

ある読者の方から、TOP ページに不定期に書かれる「今日の~」について、質問と要望のメールをいただいた。いつか誰かから聞かれるかな、とは思っていた。あれは、実は完全な書き捨てで、殆どその日の気分をサイト紹介という形でやっている。だから自分でも URL をどこかに残しておくことはしておらず、それで自分自身困ることもあるのだが、アーカイブページとか作るとそれが目的化して楽しくなくなりそうなので。それにそうした分野では、「お笑いパソコン日誌」のような優れたサイトがいくつもあるのだし、それとうちが張り合ったって仕方がない。

あとこれも質問があったのだが、僕のウェブの巡回範囲は非常に狭いものである。こんな情報量の少ない人間が技術コラムなんか書いてよいのかとも思うし、「今日の~」を書く場合でも、知らないのは俺だけで読者はとっくに既知のサイトだったら嫌だなあ、とは常に思うことなのだ。

さて、今月も20日に KEEPERS の原稿を送ったのだが、今の今までまったく音沙汰がない。今回は、とんでもなくくだらない文章になっているのだが、ボツ、ということだろうか。切られた、ということだろうか。

[2001年06月24日]

「フリーソフトウェア」が「オープンソース」より好ましい理由FreeBSD IPsec mini-HOWTOLinux 2.4 NAT HOWTO を更新。

RMS の文章以外はそれほどの分量の変更でもないのだが、ちょうどいくつか重なったし、ちゃんとメンテナンスしてるぞ、という意味でアナウンスさせてもらった。

[2001年06月11日]

コラムライブラリ石、流れるを追加。思いつくままに書き並べた文章。

読者層を限定してしまうため、あまり気が進まなかった将棋関係の話題だが、すごい文章を読んだので感想を書いておきたい。

それは2001年7月号の「将棋世界」誌における名人戦第三局の観戦記で、本岡類というアマ四段の作家が書いているのだが、全編にわたり丸山名人に対する悪意がにじみ出ていて、観戦記の枠をこえたものになっている。

のっけから森下卓の発言を援用して、「状況証拠は揃っている。名人は”確信犯”だった」だの「手練手菅」だのと千日手を選択した丸山を責め、「丸山名人への周囲の評価は高いとは言いがたい。羽生、谷川という巨大な太陽が二つもあるせいか、昼間の月のように輪郭がぼやけている」と丸山の名人としての資質に疑問を投げかけ、いじりようによっては人気が出るんじゃないか、何ならプロジェクトXに丸山を売りこんでやろか、と悪意に満ちたフォローで小馬鹿にし、対局後の様子も打ち上げでも誰とも話をせんとか、帰りのバスで丸山の興味を持てそうな話をふってあげてるのに「振り向いて話しに加わるのが普通だが、名人はまったく反応を示さない」と吐き捨てた挙句、「もし、将棋名人であるとの事前知識なしに丸山と会ったなら、今、話題になっている”社会的引きこもり”に悩んでいる青年だと思ったに違いない」と断言し、最近の棋士が自分のことを話したがらないのは人間的な弱みを見せないためだそうだが、丸山の場合は「明かすほどの自分がないだけの話」と人格を否定し、翌日勝負の結果を聞いてきた老夫婦に谷川浩司の勝利を告げると嬉しそうな顔で礼を言われたということを最後に持ってきて丸山にファンが少ないことまで暗示させて駄目押しをしている。

いやはや、「確信犯」「昼間の月」「社会的引きこもり」「自分がない」…純粋に相手を罵倒するための文章でもかくやという言葉が並んでいる。これはある意味若気の至りとして、谷川浩司について「あの程度でも名人」と書いた田中寅彦、師匠米長邦雄について「偉大なる虚像」と書いた先崎学とはまったく違った意味合いを持った筆禍騒動になるのは必至だろう。将棋界というところは極めて日本的な体質を持ったところで、つまりはぬるま湯の中での馴れ合いをよしとするところなのだが、その将棋連盟の機関紙に近い「将棋世界」において、ここまで名人位にある者を否定する文章は初めてだろう。最近の将棋界における政治的な話は聞いて嫌気のさすものばかりなのだが、これが掲載されたのもそうしたものの延長なのだろうか。

で、ここからが僕の感想になるのだが、本屋で将棋雑誌を読んでいて、これだけスカっとして大笑いしたくなったのははじめての体験だった。この文章を読む限り本岡類という人は大した作家ではなさそうだが、多くの将棋ファンが抱えている鬱屈、つまり丸山の将棋の名人位にふさわしくない格調の低さ、うすぎたなさに加え、丸山の人間的な品格についても含めて(しまって)、実に包括的に(書く必要のない段階まで踏み込んで!)正面突破して書いてしまった。

ただ注意しなけれなければならないのは、当たり前のことだがファンの評価は絶対的なものではない。今では信じられないが、大山康晴十五世名人に対しても同様の声が昔はあったのだ。丸山も大山のように、将棋でそうした声を跳ね返せばよいのだ。僕は丸山の将棋が嫌いなので、何より他の人の奮起を望む。とりあえずは谷川浩司は、格調の高いものが低いものに勝ち得るという(もちろん常に、ではない)、将棋ファンですら忘れかけた真理を思い出させてほしい。これは永世名人としての責務だ。羽生善治も、次期こそは名人戦挑戦者にならないと五冠王の価値も半減だろう。森下卓も名人位の格調について言ったからには自分もそれなりの結果を出すべきだし、佐藤康光もその緻密さを極めた将棋でタイトル戦に登場し、将棋の結果によって丸山に名人位をあけわたしたという罪を償うべきだ。

[2001年06月05日]

Technical Knockoutシグマはどこへ消えた?を追加。パクリの原因と対策以来約半年ぶりに全力を注いで書いた文章。

技術コラムとしては二ヶ月以上ぶりである。技術コラムは、書く毎にこれが最後なのではという恐怖に捕われてしまう。翻訳に関しても同じようなことを言ってるようだが、そっちの方は昨年翻訳を巡っていくつかわだかまりを感じることがあったところに一つ胸糞悪い想いをすることがあったことが大きい。技術コラムの方はそれとは違い、作者の才能が乏しいせいで、ストロングスタイルの文章を書くたびに大変な労力を費やし、疲弊してしまうのだ。もう書けないのでは、書く題材がないのでは、と真剣に思うのだ。そこに今回のように間が空いてしまうとその恐怖は増す。

今回の文章は、ある意味自分を説得し、納得させるために書いたような文章で、他の人にどんな意味があるのか分からない。というか、多分特に価値はないのだろう。

一人で飲む酒を止めて半年以上になるが、今日はその禁を破って飲ませてもらっている。他の人に価値がないものでも、全力を注いで書いたのだから、これぐらいいいだろう。次回がいつになるか、次回があるのか見当もつかないのだから。


2001年05月

[2001年05月28日]

yomoyomo の読書記録山形浩生「山形道場」を追加。さっきネットにつなげると、非常に珍しいことに山形さんからメールが届いていた。これもシンクロニシティというべきか。今回の書評をアップロードするのを一瞬ためらってしまった。

フリーソフトウェアのリーダーは団結するがようやく完成した。八木さんの訳をマージしたことで一気に読みやすくなり、dynamis さんの指摘の精密さに表れる読みこみの深さに感動し、結城さんの多数の訂正に感謝、という案配である。僕の力などちっぽけなもので、フリーソフトウェアそのものと同様に、いろんな人達の手が加わることで、どんどん良くなるのだ。本当にありがとうございました。

[2001年05月26日]

yomoyomo's Music ColumnKEEPERS への連載)第12回目を公開。一年続くとは思ってなかった…。

そうなのだ、一年なのだ。12本連載したのだ。開始したときには一月に一本なんて気分転換気分でラクショー、とナメてました、ハイ。しかし、連載第四回あたりから苦しくなってきたアルよ。ここ数回は綱渡り状態なんざます。その苦労を味わってみると、良質なプログラミング本を何冊も執筆し、連載を何本も持ち、メーリングリストをいくつも管理し、各種有益な文章をおしげもなく公開した上に、ボランティアで優れた翻訳までやってしまう結城浩さんという人はつくづくとんでもない、恐ろしい人物であることがよく分かる。今では結城さんからメールをいただくたびに恐怖のあまり、「ヒィーッ!」と叫んでしまうくらいだ…というのは勿論嘘なのだが、これは読者の方には伝わりにくいことなので、ここに書いておきたいのだが、結城さんはご自身の活動だけでなく、小生の拙訳に対しても頻繁にコメントをくださる。僕以外にも元気付けられた人が多いのではないか。他のサイトへの関わりが、「噛み付き」に類することしか知らない人間には、百年経っても理解できない崇高さであろう。

さて、KEEPERS の方も、執筆者が増え、だいぶ賑やかになってきた(頼む、みんな見てやってくれ)。ビジュアル系(笑)が主なため、文字ばっかのワタシが異様に地味に思えてならず、仕方ないので僕も自分の女装画像をのっけようかと思うくらいである。いや、もちろんそんなものは存在しないのだが。内容がここ数回マジメなのも問題で、次回ぐらいは笑える文章にせんと切られるのではないか、とワタシは日夜おびえておるのだよ、ここだけの話。

[2001年05月21日]

yomoyomo の読書記録に筒井康隆「悪と異端者」、坂口安吾「堕落論」、近田春夫「考えるヒット」を追加。

最近破格といえる図書券の収入があったので、ばらばらばらと文庫本を買い漁ってしまった。寝床には未読の本が既に何冊も積み重なっているというのに、まったくバカもいいところだ。そういうワタシであるが、double crown さんおすすめの、先崎学「フフフの歩」だけはどうしても買えなかった。題名といい、装丁といい最低最悪のセンスで、僕の美意識がそれを許さなかったのだ。すまん、double crown さん。

僕のバカさと美意識(?)が噴出してしまった最近の行動がもう一つあり、「モンティ・パイソンDVDボックス」の購入である。何しろ DVD プレイヤーを持ってないのだ。狂っているとしか思えない。

それと対照的に、どうしても買えないものがある。酒だ。ストアなんかで買い物をするたびに、「今日は久しぶりにワインでも飲もうかな」と思うのだが、何故か強烈な罪悪感に襲われ、それを断念するだけでなく、気分が一層鬱になってしまう。一人で飲む酒を止めたというだけであり、元々それにしたって飲酒が原因で職を失ったとか、手のふるえが止まらないとか、家族に暴力をふるったというわけではないのだが。あ、友人を蹴ったことはあるな。その節はすまなかったベンジャミン。

今日は KEEPERS 原稿の締切日で、朝から晩までパソコンの前で唸っていた。こんな天気の良い日曜に一銭の得にもならない文章に苦しむなんて、と気分が鬱々とした。才能がないというのはどこまでも悲しいものだ。

[2001年05月15日]

Technical Knockoutフリーソフトウェアのリーダーは団結するのベータ版を公開。Bruce Perens の文章の日本語訳です。タイトルからしてしっくりいっておらず、満足な訳ではないのだが、とにかく公開させてもらいます。

鬱状態が昂じてついつい翻訳が続いたが、いいかげんこれで一段落でしょう。ただし、これは鬱状態が解消されたということではもちろんない。

[2001年05月15日]

Technical Knockoutソフトウェア特許 vs フリーソフトウェアのベータ版を公開。Bruce Perens の文章の日本語訳です。ただ僕は Perens の主張にはあまり賛同できない。

最近無性に旅行したい。とりあえず一日会社を休んで、大阪なり東京なり友人を頼って週末二泊三日ででもいいから外に出たい。今週末あたりを考えていたのだが、KEEPERS の締め切りがあるから無理か。

そうそう、お笑いパソコン日誌経由でファットボーイスリムのビデオクリップで踊りまくるクリストファー・ウォーケンをようやく拝むことができた。今更だが。ああ、早くフルサイズでみたい! ウォーケンは、最も好きな役者なんだ。

最近映画を観ることが少なくなった。社会人になり時間に追われ、二時間前後暗闇の中で束縛されるという時間感覚が合わなくなったというのがあるのかもしれない。しかし、そうした気分も、「アメリカン・ビューティー」と「クッキー・フォーチューン」という良い映画を(ビデオで)観て、晴れるのを感じた。まったく現金なものである。前者は昨年のオスカーを独占した映画で、一方で「それほどの作品かよ」という声もいくつか聞いていたのだが、面白かった。この作品を「スケールが小さい」とかけなした奴は、いったい何を期待していたのだろうか。後者については、ちょうど同時期に公開された「マグノリア」を語る際に引き合いに出されたが、それも分からん。第一、(ロバート・アルトマンお得意の)群集劇じゃない。脚本も役者も演出も実にしっかりしていながら、同時に独特の自由さがある。「カンサス・シティ」が最低だったので不安だったが、アルトマン健在だった。

この二作に共通するところがあるとするなら、両者とも非常に良質なサスペンスであるということだ。サスペンスといっても、旅情も温泉も女弁護士も犯人役の鶴見辰吾も断崖での謎解きも必要ない。久方ぶりに映画についての文章を書きたくなった。テリー・ギリアムについての文章を以前から友人に予告しながら未だ手付かずなのだが…

[2001年05月13日]

Technical Knockout我々は仲良くやってくこともできないのか?のベータ版を公開。Miguel de Icaza の文章の日本語訳です。うーむ、Eazel の業務停止のニュースと重なっちゃった。

GNOME の主要開発者である Miguel de Icaza の文章を、RMS や ESR の世代との違いを際立たせて話題になった Let's Make Unix Not Suck高野了成さんによる日本語訳)を読んで以来、訳してみたいと思っていた。

翻訳といえば、ハッカーのための管理職 FAQプロジェクト杉田玄白に登録した。あそこへの作品登録は約一年ぶりである。何故この一年登録しなかったかというと、山形浩生に対して含むところがあったからである、というのは勿論嘘だが本当かもしれない。本当のところは、僕の登録作品によって、杉田玄白の質を落としたくなかったからだ。当時翻訳に関して(極私的に)悶々としていたところに、Linux 2.4 NAT HOWTO を巡って筆舌尽くしがたい不愉快さを味わってからは、なるべく自分の力の及ぶ範囲内で責任をとりたいと強く思うようになったことも大きい(Linux 2.4 NAT HOWTO 翻訳と公開停止についての覚書は、僕という人間が、どれだけ忍耐強くあれるかというサンプルである。その涙ぐましさに今読むと反吐がでる)。

僕の内的な基準からすると、杉田玄白に何かしらの value を与えているといえるのは、(訳者の大甘な贔屓目で見て)FUD とは何ぞや?管理職のためのハッカー FAQオープンソース・ゲームをプレイするの三つだけである。この一年、かなり読み応えのある文章もいくつか訳したが、僕の基準を満たすものはなかった。それを言うなら管理職 FAQ にしても同じなのだが、未だにその筋に評判の良いハッカー FAQ と対になるものであるし、これは登録しておくべきだろうと判断した。

これははっきり書いておきたいのだが、僕は未だにプロジェクト杉田玄白に貢献したいという気持ちを強く持っている。そして、それに見合う訳文をものにしたいという気持ちもまた然り。

今回小生の訳文とともに杉田玄白に登録された文章に、普通のやつらの上を行けがある。これが実に面白い。プログラマー必見である。訳者は、いつも小生の訳文に的確な訂正を送ってくださる Kawai さんなのだから当然といえば当然である。以前から Kawai さんのような方が杉田玄白に参加してくださればと思っていたので尚更嬉しかった。

[2001年05月05日]

Technical KnockoutEFF オープン・オーディオ使用許諾書(バージョン1.0)を公開。Electronic Frontier Foundation が公開した EFF Open Audio License を翻訳してみた。まだベータ版状態なので、みんな改良してくれい! あと蘊蓄linksにおける「薀蓄抜きでリンクしたいサイト」恒例の入れ替え。

これは休み前に見つけて、是非訳してみようと思った。音楽のネットを介した共有、交換、配信についていろいろな話題になっているが、こうした叩き台は絶対必要であるし、これがライセンスとしての精度を上げ、いろんな立場のミュージシャンに使ってもらえると嬉しいなあ、と思ったのだ。しかし、実際やってみるとこうしたライセンス関係の翻訳がはじめてだったため、かなり難儀した。他の翻訳にあたり、なるだけ訳語の統一を心がけたが、おかしいところが残っているので、原文、訳者コメントを HTML 内にコメントアウトしてあるのでバンバン改良してください。

さて、ゴールデンウィークもそろそろ終わりだが、皆さんいかがお過ごしだったでしょう。ワタシは単に帰省しただけでした。帰省するとき、せっかくだからこの本を読もうと本を持ちかえるのだが、読んだためしがない。いつも枕元にあるレイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」を読んでしまうのだ。この本ほど「畢生の傑作」という言葉が似合う作品はそうなく、いつどのページから読み始めてもその素晴らしさを享受できる。今回はせっかくなので、頭から読み始め、数日で最後まで読みきった。

実家に帰るということにはいくつか目的がある。年老いた両親の状況を確認するというところもあり、同様に両親も僕を確認しているわけだ。あとベンジャミンと会って飲むという側面もある。これが楽しいから帰省するところもある。今回は焼酎をボトルほぼ一本あけたが、命のやり取りをするような飲み方をしなくなったという点でお互い年をとったのは間違いない。ただし僕はアルコールを口にするのが数ヶ月ぶりだったので、いくらか口が過ぎたところもあり、申し訳なく思う。あと、自室の容積に収まらない書籍、CDを投げ込むという側面もある。はっきりいって実家の僕の部屋が書庫とかしてきたので、本とCDをそれぞれ十数点ずつ売り払った。売り払うこと自体が何か寂しいことに思えた。

あと関係ないが、昨日友人の買い物で電器屋についていったのだが、何故か急激にDVDプレイヤーが欲しくなって身悶えしてしまった。モンティ・パイソン・アンソロジーがDVDのみの発売というのが一番大きいのだが、不覚にも音楽方面でもここまでディスク数が揃っていたとは知らなかったのだ。部屋の狭ささえなきゃなぁ…


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初出公開: 2001年05月05日、 最終更新日: 2002年05月06日
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